研究課題/領域番号 |
16K11940
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
長谷川 智子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60303369)
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研究分担者 |
上原 佳子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (50297404)
淺川 久美子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 兼任教員 (10614430)
北野 華奈恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (60509298)
礪波 利圭 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10554545)
出村 佳美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (30446166)
青池 智小都 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特命助教 (00749658)
橋本 容子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90789695)
梅田 尚子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特命助教 (10808306)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | セルフマネジメント / 慢性疾患 / アセスメント / 看護介入 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究は、慢性疾患患者とその家族のセルフマネジメント能力に焦点を当てた研究である。患者・家族のセルフマネジメント能力を的確にアセスメント・看護診断し、効果的な看護介入を行うことで、患者・家族の意思決定を支え最期までその人らしく生きていくことを可能にする。 本年度はまず、慢性疾患患者や高齢者などハイリスク患者の周手術期の看護診断とその根拠を明確にし看護介入の資料を収集した。分析対象は、手術看護認定看護師教育課程研修生44名の臨地実習看護記録を用いた。NANDA‐Ⅰの13領域に沿って看護診断名の頻度の算出と、看護診断名の根拠となる患者の状態を抽出した。結果、頻度の高い看護診断名は「周手術期体位性身体損傷リスク状態」「感染リスク状態」などであった。麻酔・手術侵襲などによる生理的問題を予測したリスク型看護診断が多い特徴がみられたが、心理・社会的側面など患者の個別性を重視した問題点は少なかったため、今後は強化していく必要がある。また高齢者の特徴と高血圧などの既往歴に加え、全身麻酔・手術侵襲などをあわせた患者の状態が、看護診断名の根拠とされていることが示唆された。 加えて、慢性呼吸器疾患患者の意思決定に関する看護師の看護活動を明らかにする目的で、看護師のアドバンス・ケア・プランニングの実施状況と影響因子に関する調査を行った。慢性呼吸器疾患看護と呼吸器疾患に携わる看護師計1320名に調査票を送り、324名より回答が得られた。ステップワイズ法による重回帰分析を行ったところ、「ACPの行動意図」に影響していた要因として呼吸器看護の経験年数、ACPの思い、ACPの周囲の期待、ACPの抑制要因【難しさ】が抽出された。また、慢性腎不全で透析を受けている患者262名にも意思決定に関する調査を行った。さらに、がん看護および非がん看護における意思決定の介入状況についても看護師218名に調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
慢性疾患を抱えながら手術を受ける患者、慢性腎不全で透析を受ける患者に関する調査が進んだ。また、慢性呼吸器疾患、がん患者、非がん患者をケアする看護師の意思決定支援に関する調査も進展した。
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今後の研究の推進方策 |
今後も慢性疾患患者・家族について意思決定を含むセルフマネジメント能力と教育ニーズについて調査を継続する。また、慢性疾患をケアする看護師に関する調査を行い、意思決定支援の実際とセルフマネジメントに関する介入の実態と教育ニーズを調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)学生等研究補助員のアルバイトを雇用する予定であり、謝金を見積もっていたが、予定の業務が少なかったため。 (使用計画)学生等研究補助員のアルバイトを雇用し、謝金として使用する予定である。 国際学会等に参加し、研究に関する意見交換・情報収集を行う予定である。
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