研究課題/領域番号 |
16K11941
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺田 八重子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70768382)
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研究分担者 |
阿部 恵子 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (00444274)
三浦 昌子 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (20759641)
本田 育美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30273204)
任 和子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40243084)
渕田 英津子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90315846)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 臨床看護師 / 大学教員 / パートナーシップ / リフレクション / 経験学習 |
研究実績の概要 |
①臨床看護師(アカデミックナース)が臨床実習前の教育に参加し、大学教員と恊働してSP参加型演習を繰り返し行い、「看て、聴いて、感じる」学生の看護実践能力を高めることと、②アカデミックナース、大学教員及び学生の実習を通して、学生がスムーズに病院実習へ移行できるようパートナーシップを育成することを目的に、アカデミックナースと看護教員が恊働してSP参加型コミュニケーション教育プログラムを作成し実施した.参加者は、臨床看護師3名と看護教員2名で看護キャリア支援室の教員がサポートし、ワークショップに参加しSP、シナリオ作成、リフレクションの基本概念を理解したのち、事前準備を行った。 平成29年1月にポスターにて看護学生の募集を行い、16名の応募があった。2月14日、看護学生一人に対しSPとの看護面接10分、情報収集と基本手技の課題に取り組み、15分のリフレクションを行った。経験学習理論に基づき学習者の体験から気づきを引き出し概念化した。実習終了後、グループで「この実習から学んだこと・気づいたこと」についてKJ法にてまとめ発表を行った。その中で「観察」、「コミュニケーション」「生活者の視点」などの発表があり、体験をとおして重要な気づきが得られたと考える。アンケート結果からは情動能力調査票得点は、SP実習前と病院実習後の対応のあるサンプルによるWilcoxon検定の結果、実験群で有意な上昇が見られた(*P<0.05)。また、共感能力測定票の得点も同様に実験群で有意な上昇がみられた(*P<0.05)。 実習後に行った教員、学生(実験群、対照群)インタビュー内容の質的分析は現在分析中であるが、調査票の結果から①の目的はある程度効果があったと考える。②の目的に関しては、トライアルでは3名と少人数のため一般化はできないが、今後継続して同様の取り組みを行い評価していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アカデミックナースと大学教員が協働して、SP参加型コミュニケーション教育プログラムを作成することができた。基礎実習にでる前の2年目の看護学生に実施できた。体験を通しての学びを得ていた。
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今後の研究の推進方策 |
3年生対象のコミュニケーション教育プログラム(慢性期)を基本スケジュールに沿って作成する。2年生と同様ビデオ撮影をし、学生の自己省察を促す。3年生の臨床実習前の演習で実施する。実習後は、学生との振り返りとは別にアカデミックナースと教員との振り返りを行う。終了時には交流会を行い、次に、学生が臨床実習に病棟に行った時、スムーズな受け入れができるようにつなげる。コミュニケーションに関しては、3年次の教育介入前後で調査票を用いて評価する。 12月の終了時に、4年生(本教育を受けていない群)と3年生(本教育を受けた群)の学生各5名3グループ、教育者側はアカデミックナース及び大学教員にも同様に5人3グループの半構造型インタビューを実施し、アカデミックナースとの恊働及び指導をどのように感じたかを質的に分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
看護学生の参加者が当初の予定よりも少なかったため、デジタルカメラの購入台数を見送った。コミュニケーションや教育に関わる和洋書籍の購入がまだできていない。
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次年度使用額の使用計画 |
次のシナリオに向けて、参考となる和洋書籍の購入や3年生の看護学生への教育プログラムに備えてデジタルカメラ・メモリーディスクを購入する予定である。
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