研究課題/領域番号 |
16K11941
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺田 八重子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70768382)
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研究分担者 |
阿部 恵子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (00444274)
三浦 昌子 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (20759641)
本田 育美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30273204)
任 和子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40243084)
渕田 英津子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90315846)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アカデミックナース / 看護学生 / 模擬患者 / 看護教育 |
研究実績の概要 |
今年度は、臨床看護師(アカデミックナース)と看護教員の協働による老年看護領域のSP参加型教育プログラムを構築し、実施した。まず、5月にアカデミックナースの募集を行い、3名の看護師を選定した。7月22日から23日で開催された第65回医学教育セミナーとワークショップに参加して、教育デザインの理論と方法、また模擬患者の活用について学び、これからの取り組みの基礎知識を学んだ。本ワークショップは、研究分担者が主催し、昨年のアカデミックナースをタスクとして、振り返りセッションを行い、新アカデミックナースのロールモデルとした。 4ヶ月に渡り、老年看護領域のSP 参加型教育プログラム作成し、12月22日に教育実践を行った。実施までの準備として、アカデミックナース、教員、SPの協働作業を5回行った。学生16名が参加し、新アカデミックナース3名、昨年のアカデミックナース2名、SP4名、教員4名で1日の老年看護領域のSP参加型教育実践を実施した。実施後に学生、アカデミックナースがそれぞれにグループワークを行い、その学びを発表した。その結果、学生は,【援助に必要な情報収集】【信頼関係の基礎を築く援助】,【安穏をもたらす援助】【共感を示す援助】【中核症状を補完する援助】【心中と現状を関連づける援助】の6つの認知症患者に対する援助を学んでいたことが明らかになった。また、アカデミックナースは【自分の意見を学生より先に言う行動の気づき】【学生の無限な可能性への気づき】【ファシリテータ・学生・患者の双方向で学ぶ効果の気づき】を気づいていたことが明らかになった。 また、本取り組みを看護部のFDセミナーで紹介する機会を得た。その結果、9割以上の参加者がアカデミックナースの取り組みに意義があると回答した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
急性期領域、慢性期領域などの主要な領域の看護教員との協働を計画していたが、教員との調整ができず、同意にまでは至っておらず、実践できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの2年間で、トライアルにおける基礎看護学実習、老年看護学実習の実績ができ、その教育効果が示されたことから、今後は、老年看護学、基礎看護学のカリキュラム化に向けての準備をしていく。また、看護部の理解を得て、アカデミックナースの処遇に対しても、現在は休みを使って参加してもらっているのを、研修システムに組み込むなど、広く参加しやすい環境を整備していく。そうすることで、教育実践能力の向上が期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
学生の参加者が予定より少なく、模擬患者を予定の半分の人数で実施できたため、次年度使用となった。 来年度は学生の参加を拡大し、学習の機会を増やす。それにより模擬患者の参加も増えるため、模擬患者への謝金として活用する。
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