研究課題/領域番号 |
16K11942
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三谷 理恵 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70437440)
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研究分担者 |
澁谷 幸 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (40379459)
関戸 啓子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90226647)
香川 秀太 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (90550567)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護学 / 看護学教育 / 統合実習 |
研究実績の概要 |
全国の看護系大学、短期大学、看護専門学校を対象に調査を3月~4月に実施した。調査対象は、各地域にある大学、短期大学、看護専門学校を同じ割合で無作為に抽出し、大学56校、短期大学7校、看護専門学校135校に所属する看護教員818名とした。回答者は194名(回収率23.7%)有効回答186名(有効回答率95.9%)であった。統合看護実習の実習形態で最も多い回答は、全学生が同一内容での学習を行う(73.1%)であった。実習場所は医療機関が最も多く、他に訪問看護ステーション、保健所・保健センターほか、グループホーム、消防隊、小規模看護多機能施設など多様な実習機関の選択が示された。実習目標で回答者の50%以上が回答した項目は「複数名の患者を受け持ち、優先順位を踏まえて看護を展開できる」「看護師長が行う看護管理の実際を理解することができる」「看護チーム内のリーダーの役割を理解することができる」「看護チーム内におけるメンバーの役割を理解することができる」であり、複数患者を担当し看護を展開する力量の形成と、看護管理、看護チームでの役割の学習を目指していることが示された。また、「自己の課題の明確化」「主体的な課題への取り組み」「責任と倫理」等、専門職としての態度の形成、医療チームの中で、他者との協働し、問題を解決していく力の醸成が期待されていた。一方、災害看護は最も回答が少なく、統合看護実習の学習要素として設定されることが少ない状況が明らかとなった。 第2段階調査の面接調査を8月~12月に実施した。研究参加者は3大学に所属し研究協力の承諾を受けた10名の看護学生であり、統合看護実習での学習体験、学習内容とその効果を調査した。この調査結果を踏まえ、平成30年度に新人看護師に移行した際に、この学習内容がどのように新人看護師への移行期に活用されたか、追跡調査を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画に従い、第1段階調査の実施、分析が進行しており、その成果は今年度内に発表する予定である。さらに、第2段階調査も、当初計画に基づき、10名の研究参加者を得て、計画通り進めることができている。研究参加者10名は、平成30年度調査への協力許可も得ており、予定通り、面接調査を継続して実施できる準備状態が整えられている。
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今後の研究の推進方策 |
第1段階調査は、記述統計に加え教育課程別の分析を行い、その成果を平成30年度内に開催される国内外の学会発表、論文での発表を行う。 第2段階第1面接調査では、多様な実習を体験した学生が研究参加者として存在していた。その中で共通する学習要素、個別の学習要素を5月~6月にかけて分析し統合していく。第2段階第2面接調査「新人期」の調査を、8月~10月に予定する。平成29年度の統合看護実習での学習体験が、新人看護師への移行期にどのように影響するのかに着目し、分析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
[理由] 平成29年度内に関連学会での発表を計画し、交通費等を計上していたが、調査期間との関係から、平成29年度内の関連学会での発表を実施できなかった。そのため関連する旅費等の支出分は、次年度に繰り越すこととした。 [使用計画] 繰越分は平成30年度に、第1段階調査の成果報告を予定しておりその交通費および成果発表のための研究会議開催等の費用に活用していく。平成30年度配分額は予定通り第2段階調査協力者の前向き調査を継続して行うため、面接調査経費と逐語録作成経費等に使用する。
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