研究課題/領域番号 |
16K11942
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
三谷 理恵 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (70437440)
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研究分担者 |
澁谷 幸 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (40379459)
関戸 啓子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90226647)
香川 秀太 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (90550567)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 統合看護実習 / 移行支援 |
研究実績の概要 |
2017年3月~4月に看護教員を対象に実施した第1段階調査(全国調査)の結果は、計画に従い2019年度に開催された日本看護学教育学会にてその成果の一部を報告した。統合看護実習の学びの因子分析結果(主成分法バリマックス回転)より4因子が抽出され、それぞれF1「看護チームの一員として実践する視点を学ぶ」,F2「看護職としての将来像を描く」,F3「連携・協働的な看護活動への理解が深まる」,F4「組織的な看護活動への理解が深まる」と捉えられ、統合看護実習の教育効果を日常の看護師の実践的な看護を学ぶことに加え、キャリア教育の一端を担う可能性が示唆された。 2017年度に統合看護実習を受けた学生10名、その後新人看護師になった段階での2018年度調査に協力を得た5名の面接調査(第2段階調査)の分析を継続して実施している。学生時代の面接調査では、就職する分野に近接した分野を選択した6名の内、4名は複数受け持ち体験やチーム看護の実践体験を有し、2名はシャドーイングによって看護師の実際的業務の見学体験を有していた。就職する分野とはあえて異なる分野を選択した学生は4名おり、就職直後ではなく将来的なキャリアを見据えた分野選択をし学びを得ていた。その後、新人看護師段階の調査協力者5名は、就職する分野に近接した分野の選択者1名、就職する分野とはあえて異なる分野を選択した4名であった。5名のいずれも統合看護実習の学習について、概ね肯定的に捉えていることが示唆されたが、統合看護実習の学習が新人看護師への移行期の実践や臨床現場への適応に直接的につながっている実感は乏しい可能性も示唆された。さらにそれぞれの語りの特徴を精微に分析し、検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者が2019年度に所属研究機関の変更があり、必要な研究環境の調整に時間を要したことと、教員欠員に伴い教育業務が多忙となり、研究時間の確保が難しく当初計画してた調査の分析及び最終調査の遂行が困難であった。 現在、第2段階の分析を継続しており、調査結果をまとめ2020年度内の学術集会および論文投稿による結果公表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度内に第1段階調査結果は論文化を進め、現在投稿しており成果報告を進める。 第2段階調査の分析の方向性はすでに2019年度内に研究者間で共有し、分析を継続している。2020年度内に関連学会での発表および研究論文の投稿を計画している。 最終調査は、医療機関に勤務する新人看護師を対象とする予定である。第1段階調査、第2段階調査の結果を踏まえ、質問紙を作成し倫理審査委員会の承認を8月に計画している。調査は、新人看護師がおおむね適応していく時期と推測される10月を計画している。ただし、今般の感染症拡大状況から、依頼予定の医療現場の状況も急激に変化していることを鑑み、調査期間を検討し計画を遂行していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属変更に伴う研究環境の調整に時間を要し当初計画より第2段階調査結果分析に時間を要した。その結果、予定していた第2段階調査結果の公表のための学会発表を2020年度に繰り越すこととなった。また、第3段階調査の実施に至らず、そのための必要経費分が繰り越しとなった。 2020年度は、第3段階調査に向けて、調査資料の印刷等調査経費、および第2段階調査結果公表のための交通費等に使用予定である。
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