研究課題/領域番号 |
16K11943
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
當目 雅代 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20259435)
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研究分担者 |
野々口 陽子 同志社女子大学, 看護学部, 助手 (00756207) [辞退]
天野 功士 同志社女子大学, 看護学部, 助教 (40756194)
光木 幸子 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (70269778)
小笠 美春 同志社女子大学, 看護学部, 講師 (70544550)
田村 沙織 同志社女子大学, 看護学部, 助教 (50756210)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 周術期看護 / 熟練看護師 / 視線計測 / 術後観察 / 看護学生 / 教育評価 |
研究実績の概要 |
本年度の主な研究成果:周術期熟練看護師12名を対象にモバイル型EMR9(Nac社)により視線計測を行った。全身麻酔で手術を受けた術直後の患者を想定したシミュレーションモデル人形を2回観察してもらい、2回目の映像を解析対象とした。映像から22項目の注視項目エリアを設定し,平均注視回数・平均注視時間・平均注視潜時・注視項目視線変化表・作業同時進行率・注視時の行動をカテゴリ化して視線と行動の一致率を算出した。その結果、平均注視回数の上位3項目は寝衣,布団,顔であり,平均注視時間の上位3項目は寝衣,血圧計,胸部であった。手術特有の観察エリアの平均注視回数は,フットポンプ,腹部ガーゼ,腹腔ドレーン,PCAポンプであった。平均注視潜時は顔,布団,寝衣の順で短かった。PCAポンプ,膀胱留置カテーテル,点滴刺入部は4分以上経過してから注視されていた。同時に2つ以上の作業を2割近くがしていること,視線と行動の不一致率が3割なことから,作業をしながら視線は行っている作業とは別の観察をしていることが推測された。術後観察の認知パターンを注視項目変化表で推測すると,序盤で顔・血圧・パルスオキシメーター,中盤で胸部・腹部・腹腔ドレーン,終盤で点滴・PCA・フットポンプ,膀胱留置カテーテルに共通性がみられた。質問紙による観察の優先順位は,意識レベル,循環動態,呼吸状態,創部・疼痛,点滴類などの順であった。熟練看護師の術後ケアの観察パターンは,注視項目視線変化表からの客観的観察パターンと質問紙による主観的観察の優先順位がほぼ一致していた。このことから視線による認知プロセスが推定できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
熟練看護師12名の視線計測分析に時間を要した。特に,熟練看護師の視線と行動の関連を解明するためEMR9解析ソフトd-Factoryでは解析できない平均注視潜時・作業同時進行率・視線と行動の一致率に時間を要した。そのため,予定していた術後観察手順に基づいた学生用術後観察シナリオ作成の着手に遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
熟練看護師の術後観察パターンを参考に,学生用術後観察トレーニング教材作成のためのシナリオを作成する。また、シナリオに基づいてACTUS SDKにトリガをかけた任意制御プログラムを用いて,術後管理トレーニング教育教材を作成し,看護学生に適応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
〔理由〕 成果発表のために予定していた旅費を使用しなかった。 〔使用計画〕 研究が遅れているため,引き続き分データ分析補助者雇用のため人件費として使用する。
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