研究課題/領域番号 |
16K11948
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
山本 真由美 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (70597137)
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研究分担者 |
渡辺 由加利 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (10310088)
山内 まゆみ 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (00322917)
森川 由紀 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (80438423)
石引 かずみ 札幌市立大学, 看護学部, 助教 (80735564)
大友 舞 札幌市立大学, 看護学部, 助手 (80781335)
宮崎 みち子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (70295913)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護教育学 / 看護基礎教育 / 母性看護学 / 技術教育 / 装着型産褥子宮モデル / 教材開発 |
研究実績の概要 |
平成26年度に開発した「装着型産褥子宮モデル」(以下、装着型モデル)を装着した模擬褥婦の子宮復古を看護学生が観察し、看護を実践することによる学習効果を明らかにする目的で事前調査を行った。 対象はA大学看護学部の3・4年生で研究協力が得られた学生12名であった。調査期間は平成29年3月中旬。調査方法は(1)装着型モデルを装着した模擬褥婦(教員)に対し、学生が子宮復古状態を観察した。(2)終了後,学生に面接調査を行った。その内容は観察内容(触診、計測診、問診、視診、患者の反応)および装着型モデルに関する感想であった。分析方法は面接内容を逐語録に変換し、学習効果に関連したデータを質的に分析した。倫理的配慮は研究代表者所属先の倫理審査委員会の承認(No.1655-1)を得て実施した。 学習効果に関連したカテゴリーは「子宮復古の観察ができる」、「褥婦の反応を確認・配慮しながら観察ができる」、「判断しながら技術が実施できる」、「褥婦のセルフケア能力を確認できる」、「実習に類似した環境で実施できる」、「実習への技術的・心理的準備が整えられる」、「実施の振り返りができる」が生成された。 今回装着型モデルを使用することで、学生は褥婦の子宮復古状態の観察の際に、反応を観察しつつ、測定時の痛みや羞恥心に配慮し、判断を加えながら看護を実践していたことが明らかとなった。子宮復古の観察は、下腹部という日常生活では他者が触れない部位を触診するため、対象者の羞恥心に配慮し、その反応も観察しながら実施する必要があり、開発した装着型モデルは臨床場面により近づいた中での学習が可能であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では「装着型産褥子宮モデル修正版」を平成28年度中に製作することになっていた。平成26年度に製作した装着型モデル1体は単年度の製作が可能であったことから、製作期間を1年として計画を立案した。しかし、①今年度は4体の製作であること、②平成26年度の装着型モデルに、事前調査結果を基に修正・変更を加えたため、さらなる検討が必要になったことで、「装着型産褥子宮モデル修正版」の製作に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
製作が遅れている「装着型産褥子宮モデル修正版」は平成29年度に母性看護技術論の講義開始(10月)までには、製作が可能であるとの回答が得られており、現在委託業者と最終の検討を進めている。 そのため、平成29年度は研究計画通りの進行が可能であり、①完成させた「装着型産褥子宮モデル修正版」を母性看護技術論の演習に活用する、②「装着型産褥子宮モデル修正版」を用い、客観的臨床能力試験を実施する、③①と②の結果から、平成29年度の3年次学生が捉えた学習者側からの学習効果を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
「装着型産褥子宮モデル修正版」4体の製作が遅れ、その支出がされなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年9月までに「装着型産褥子宮モデル修正版」が製作され、納入される。
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