令和元年度は、収録内容、および策定した構造上のプランを再検討し、アプリケーション第1版の作成に向け、研究を進めた。第1部の構成は、看護系論文の英文要約で必須となる項目とし、各構成の収録内容は、動詞、句、節の表現例、及び文例とした。第2部は主な確認事項を中心に基本的な文法事項とした。 収録内容の決定後、アプリケーション全体の構成の有効性を再確認し、適した制作業者を選定し契約を結び、第1版作成の具体的な作業を行なった。枠組み、構成は予定どおりのシステムとなった。構成内容をシステムの各ページに配置し、タブをクリックすることでページ移動、並びに表紙の目次をクリックすることで各ページに移動する形式とし、第1版が完成した。 補助事業期間全体を通じて、タブレットPC等を介して、手軽に取り組め、効果が上がる英文要約作成支援アプリケーションの開発を中心に、看護系大学院生の英語学習支援の方法を検討することを目的とし、研究を遂行した。収録内容の探査を行ない、情報検索サーバを活用し、合計350件の抄録を収集し、データとして分析し、最適な語句や例文を抽出し、和訳を施した。アプリケーションは、2部構成とすることに決定し、第1部は例文部門、第2部は英文法上の注意事項の構成とした。システムの具体的な枠組み、使用方法などが確認できる第1版が完成し、有効性確認のための試行の検討に移る段階に達し、一定の実績を上げることができた。 英語学習の背景は、看護系大学院生に共通するものであり、本研究において検討した英文要約作成支援アプリケーションは、その活用によって英語教育の補足として機能することが見込まれ、院生のみならず教員への支援ともなり、看護系大学院の英語教育に資すると考えられる。
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