研究課題/領域番号 |
16K11953
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (00259194)
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研究分担者 |
片山 由加里 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (10290222)
土肥 美子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (10632747)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 臨床学習環境 / 教育指導者 / 支援プログラム / バウンダリーレス / 人材育成 / デザイン / プログラム評価 / 国際情報交換(アメリカ合衆国) |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、教育指導者の育成のため、組織のバウンダリー(境界)を超えてグローバルな視座から教育指導者間の新たな相互交流を起こすことにより、バウンダリーレスな臨床学習環境デザイン支援プログラムを開発することである。2016年度は、臨床学習環境および教育指導者研修に関する視察および文献検討を行った。 米国のOregon Health & Science University、Portland Providence Medical Center、Veteran Administration Medical Centerを訪れ、先駆的な臨床看護教育モデルであるDedicated Education Unit (DEU)の視察を行った。DEUの開発に携わる担当者およびDEUを導入している病院の関係者から説明を受け、意見交換を行い、資料を得た。DEUでは、Clinical Instructor (CI)と呼ばれる看護師が継続して実習を担当し、学生はCIの勤務開始から終了まで一緒に行動し、臨床で行う行為と類似の経験をする。CIの研修は、大学がプログラムを提供し、DEUの看護師が受講する。Oregon Health & Science Universityの研修内容は、カリキュラムや実習コースおよび指導方法などを学び、ロールプレイを行いながら具体的な検討を行い、CIと教員の役割の違いを理解することを含む。DEUモデルでは、CI、看護管理者、教員が協働的な関係のもと、組織のバウンダリーを超えて教育連携をとることで、実践と理論を結びつけ、学生の学びを発展させる。本研究の成果を雑誌に発表した。 文献検討では、DEU、学習環境デザイン、教育指導者育成などに関する文献を中心に検討し、次年度に実施予定の臨床学習環境デザインに関する調査に活用可能な知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年間の研究期間において、以下の5点: (1) 教育指導者の研修の視察及び文献検討により学習環境や教育方法の把握、(2) 教育指導者の臨床学習環境デザインに関する能力開発ニーズや支援等の諸要因の分析、(3)教育指導者育成に向けたバウンダリーレスな臨床学習環境デザイン支援プログラムの構成、(4) プログラム方針を決定し、計画(Plan)、実施・運用(Do)、点検・是正(Check)、見直し(Action)のPDCAサイクルの検討、(5) 教育指導者を対象に臨床学習環境デザイン支援プログラムを実施し、その効果について検討することを目指している。 2016年度は、臨床学習環境および教育指導者研修に関する視察および文献検討を行った。今後は、視察および文献検討にもとづき、臨床学習環境デザインに関する調査を実施する。また、当初の計画にはなかったが、米国で開発された臨床判断ルーブリックについて、開発者と連携し、日本語版の作成とその妥当性の検討に取り組み、教育指導者が新人看護師や学生の教育に用いることができる評価ツールの作成を目指す。これらの結果及び臨床学習環境の概念モデルにもとづき、教育指導者の臨床学習環境デザイン支援プログラムの構成を明らかにし、さらにプログラム評価の理論と方法に則り、プログラム方針の決定とPDCAサイクルの検討を行う。教育指導者を対象に臨床学習環境デザイン支援プログラムの実施と評価を遂行し、このプログラムの効果を明確にする予定である。 本研究は、研究概要を紹介するホームページを作成し、更新している(URL:http://www.nursing.osakafu-u.ac.jp/~hosoday/gaiyou/)。本研究は当初の計画に従い、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的を達成するため、以下の推進方策を定めた。 1. 教育指導者が新人看護師や学生の教育に用いることができる評価ツールを作成するため、米国で開発された臨床判断ルーブリックの日本語版の作成とその妥当性の検討に取り組む。 2. 教育指導者の能力開発ニーズや支援等の諸要因を分析するため、臨床学習環境デザインに関する調査を実施する。この調査結果および臨床学習環境の概念モデルにもとづき、教育指導者の臨床学習環境デザイン支援プログラムを構成する。 3. プログラム評価の理論と方法に則り、プログラム方針の決定とPDCAサイクルの検討を行う。そのうえで、教育指導者を対象に臨床学習環境デザイン支援プログラムの実施と評価を遂行し、このプログラムの効果を評価する。 4. 本研究の成果を国内外の学会および専門誌への投稿、講演、教育活動を通して広く周知するとともに、ホームページを用いて社会に向けて公表する。研究プロセスにおいて、国内外の看護教育学を専門とする研究者、病院の看護管理者より随時、助言を得ることとする。
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