研究課題/領域番号 |
16K11959
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
宮里 智子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80382456)
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研究分担者 |
宮城 恵子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (20736011)
神里 みどり 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 教授 (80345909)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ケアとキュアの融合 / 高度実践看護師 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、小規模離島で活躍する高度実践看護師のケアとキュアを融合した実習プログラムを構築することである。具体的目的は、1)専門看護師を対象にシャドウイングと聞き取りから、ケアとキュアを融合した看護実践の思考プロセスを見いだし、2)その思考プロセスをつかいながら小規模離島の看護実践を具現化するための実習プログラムを作成し、島嶼保健看護領域の大学院生に実施・評価し、3)実習プログラムの内容を洗練してプログラムを提案することである。 現在、高度実践看護師の看護実践を参与観察し、その後、インタビュー調査を行い、思考プロセスについて分析を進めているところである。その結果として、高度実践看護師は、看護の対象者がよりよく生活できることをめざし、対象者の生活背景や体内の内部環境などの多岐にわたることを描きながら、看護ケアを行っていることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
高度実践看護師を対象とした参与観察とインタビュー調査について、参与観察を行うため、患者や家族の許可を得る手続き等が必要となり、調査対象者のリクルートに時間を要している。また、結果を分析する際に、ケアとキュアをどのように区別するのか、区別できるのか、融合するとはどのようなことかなどにおいて、合意形成が難しく、分析が進んでいない。そのため、高度実践看護師を対象とした参与観察、及び、インタビュー調査後に計画している島嶼保健看護実習を修了した大学院生を対象としたインタビュー調査の開始に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
APNの能力(Harmric, 2009)とNPのコアコンピテンシー(NONPF,2014)を参考にして、実践島嶼保健看護実習におけるケアとキュアを融合した看護実践の評価基準(ルーブリック)を作成する。その後、作成したルーブリック、および、明らかにした専門看護師の思考プロセスをふまえ、島嶼保健看護実習を修了した大学院生を対象にインタビュー調査を実施し、「必要な能力が育成されているか」という視点から分析して、実習プログラムの評価を行う。大学院生を対象にしたインタビュー調査については、フォーカスグループインタビューを予定していたが、現在、島嶼地域で勤務をしている院生もおり、一同に集合してインタビューを行うことは現実的に困難であることが予想されることから、個別のインタビュー調査に変更したいと考えている。フォーカスグループインタビューから個別のインタビューに変更した場合、グループダイナミクスによる情報の引き出しを期待していたが、個別インタビューにおいても必要な情報を引き出せるように、インタビュー内容を工夫することで対応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体的な研究の遅れから、高度実践看護師を対象に実施した参与観察とインタビュー調査の結果から明らかにした「ケアとキュアを融合した看護実践の思考プロセス」について、成果発表のために必要な旅費、学会誌投稿料、翻訳・校閲料等の執行について、次年度に行う計画である。 また、次年度は、島嶼保健看護実習を修了している大学院生を対象としたインタビュー調査を行うため旅費、成果発表に使用する旅費や学会誌投稿料、翻訳・校閲料、および、知識の修得に必要な書籍を購入するために助成金を使用する計画である。
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