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2016 年度 実施状況報告書

急性期病院における看護師のエイジング・センシティブ・ケア向上教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K11961
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

吉村 惠美子  国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (10413163)

研究分担者 山田 智美  国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (70757583)
照屋 健作  帝京平成大学, 現代ライフ学部, 助教 (30751599)
蔵谷 範子  国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (00320846)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード高齢者看護 / 急性期病院 / 看護アセスメント / 看護教育プログラム
研究実績の概要

我が国の超高齢社会を背景に、急性期病院の入院患者のうち,65歳以上が占める割合は約70%を占めている。急性期病院に入院した高齢患者の日常生活行動やQOLを維持しながら,健康回復を促進することは看護の重要な課題である。この研究は,急性期病院に勤務する看護職員に対し,エイジング・センシティブ・ケア(高齢者中心のケア)向上を目指した教育プログラムを実施し,その有効性を検討することを目的とする.
第1段階:急性期病院に勤務する看護職員に対する「エイジング・センシティブ・ケア向上を目指した教育プログラム」を作成するため、①老人看護専門看護師5名に半構成的インタビュー(平成26~27年に実施)から得られたデータより、高齢患者の看護アセスメントの視点を抽出、分析し、プログラムの教育目標、教育内容として設定した。②現任の看護師教育に従事する看護師5名を対象のグループインタビュー(平成27年に実施)から得られたデータから、効果的な教育方法を抽出、分析した。また、平成29年2月に米国におけるシミュレーションの教育方法に関し視察し調査を行った。
第2段階:第1段階で抽出された要素を基に、「高齢患者に対する看護アセスメント力向上プログラム」を作成し、1施設に実施した。教育プログラムの内容は①専門看護師による「高齢者看護アセスメントの視点」に関する講義、②高齢者に多くみられる看護アセスメントに関する自作カードによる個人学習、③事例検討の3つのプロセスから構成される。その教育プログラムの有効性を測定するため,介入前、直後、終了3カ月後に看護師のアウトカム指標として「看護職員の高齢患者に関する基本知識,アセスメント力,専門職の自律意識」を調査する。患者のアウトカム指標として、介入前後90日間の「高齢患者の褥瘡発生率,転倒転落発生率,せん妄発生率」を測定し比較する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第1段階:急性期病院に勤務する看護職員に対する、エイジング・センシティブ・ケア向上を目指した教育プログラムを作成した。①老人看護専門看護師5名に半構成的インタビューから得られていた、「急性期病院における高齢患者の看護アセスメント」の視点を抽出、分析した。結果については、平成29年3月発行の日本看護福祉学会誌に公表した。その後それを基に、教育プログラムに教育目標、教育内容として、設定した。②現任の看護師教育に従事する看護師に対するグループインタビューから得られていたデータから、効果的な教育方法を抽出、プログラム方法に活かした。平成29年日本看護学教育学会で発表を予定している。また、サンフランシスコ大学等のシミュレーション教育について視察し調査を行った。
第2段階:第1段階で作成した教育プログラムをもとに、1施設60名の看護師を対象に「高齢患者の看護アセスメント力向上を目指した教育プログラム」を実施した。平成29年5月初旬に終了し、プログラムの有効性を測定するため,介入前に行った「看護職員の高齢患者に関する基本知識,アセスメント力,専門職の自律意識」を介入後に調査しているところである。患者のアウトカムについても対象の施設に「高齢患者の褥瘡発生率,転倒転落発生率,せん妄発生率」の測定を依頼したが、「せん妄発生率」は測定されておらず、データが得られていない。

今後の研究の推進方策

第1段階:今回実施した施設の教育プログラムの有効性を測定するため,看護師のアウトカム指標である「看護職員の高齢患者に関する基本知識,アセスメント力,専門職の自律意識」、患者のアウトカム指標である「高齢患者の褥瘡発生率,転倒転落発生率」を測定し,比較検討する。看護師のアウトカム指標は更にプログラム終了3か月後に同様の調査を実施し、プログラムの効果の継続性を調査する。
第2段階:教育プログラムを急性期病院における看護師継続教育の年間計画に反映し、適切な時期、方法について再調整を行い、2施設に実施する。2施設に関しては承諾を得ており、推進者とともに実施、開発する予定である。前回使用した個人学習カードについては、更に改良を加えスマホなどといったITの利用を検討している。前回のプログラム評価を踏まえて教育方法について更に検討していく。ブログラム評価としては前回の調査内容に加え、プログラム受講者へのグループインタビューを追加し、質的な評価を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本格的な実施を来年度に行うために、物品費と人件費を来年度に使用することとした。

次年度使用額の使用計画

次年度に本格的な教育プログラムを実施するために、人件費、教材費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 急性期病院の高齢患者に対する老人看護専門看護師のアセスメントの視点2017

    • 著者名/発表者名
      吉村惠美子
    • 雑誌名

      日本看護福祉学会誌

      巻: 22 ページ: 171-187

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 急性期病院における高齢患者看護アセスメント教育のより効果的な教育方法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      吉村惠美子
    • 学会等名
      日本看護学教育学会
    • 発表場所
      沖縄県那覇
    • 年月日
      2017-08-17 – 2017-08-18

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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