研究課題/領域番号 |
16K11962
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
奥 裕美 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80439512)
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研究分担者 |
松谷 美和子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (60103587)
三浦 友理子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70709493)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護教育 / 看護教育実践知 / リフレクション |
研究実績の概要 |
看護基礎教育に関わる教員、臨床看護教育者に対し、学習者中心型の教育を実践するための教育プログラムを実施し、受講後の教育実践の内容をリフレクションシートを通して集積することにより、看護教育実践知の統合を行うことを目的に本研究を実施した。研究開始年度である2016年度は、教育プログラムとデータ集積の計画を立案し、4年間の研究実施に関して所属機関の研究倫理審査委員会における承認を得た。 <教育プログラムの実施>教育プログラムは「『看護を教える』を学ぶワークショップ2016」と称し、インターネット等を通じて参加者を募集したところ、7名の参加者を得た。2016年9月3日(土)、10日(土)、11日(日)の3日間、都内にて実施した。参加者は全員臨床において看護師教育・看護学生の教育に関わるものであった。プログラム前後で、参加者の学習者中心型の教育や、看護実践の学習を支援する方法に関する知識の習得状況(16項目)を比較したところ、全ての項目で実施後の習得状況が高まっていた。また、本プログラムの内容は、教育実践に役立つと評価していた。また、今回学んだ知識を用いて現場で実践した後で、さらに深めるワークショップの開催を望むという意見や、複数の組織に所属する参加者たちがお互いの教育実践について語り合ったことにより、自らの実践を振り返るよい機会になり、定期的にこうしたワークショップを持つことを望むという意見があった。 <リフレクションシートの集積>ワークショップ参加者には、ワークショップ終了後1年以内に2通程度のリフレクションシートの提出を依頼した。終了後約半年が経過したが、教育実践に関するリフレクションシートの提出数が伸びていない。リフレクションシートの提出を促すため、定期的にニュースレターを送りリマインドを促す支援を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画通りに教育プログラムを実施し、プログラム参加者の学習状況や満足度は高かった。しかし、当初の計画よりも参加者数が少なく、また、リフレクションシートの集積数も少ない状態である。 参加者が少なかった理由として、①ひと月の中で週末を2回使用するという日程の設定、②募集期間が短かったという2点が考えられる。また、リフレクションシートの集積が少ない理由は、①参加人数が少なかったことと、②参加者が記載用紙に事例を記載することに困難を感じている可能性があるというの2点が考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度に行う教育プログラムについては、計画している20名の参加者を募集するため、3日間のプログラムを複数の月にまたがるように日程を工夫する。また、募集期間を1ヶ月以上 取り、参加者が日程の調整をしやすいように工夫する。 リフレクションシートの集積については、シートが書きやすいような記載例の提示を行い、参加者へのリマインドを定期的に継続するほか、昨年度の参加者については、どのような工夫があれば記載しやすいか意見を聞き、必要な支援を行う。例えばリフレクションシート作成のワークショップや、シート記載に代わる聴き取りなどによるリフレクションの実施も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育プログラムへの参加者が少なかったため、実施に必要な人件費・謝金、運営に必要な物品の購入などに必要な費用が少なかった。そのため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
教育プログラムへの参加者数を予定数確保し、運営に関わる人件費・謝金、物品購入費等に使用する。
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