研究課題/領域番号 |
16K11963
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
田所 良之 東京医科大学, 医学部, 准教授 (50372355)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 日本文化 / 対人援助関係 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、昨年度に引き続き日本に特徴的な対人援助関係の構築・促進・維持に関する情報の収集と調査研究の準備を進めた。書籍ならびに雑誌文献、新聞、インターネットなどにあわせて、インドネシア人看護師で現在は日本で介護士として働いている方々と交流できる機会を作り、彼らとの話し合いにより本研究の対象者選定と依頼方法などについて検討をした。 また国内で行われる、保健医療福祉系を中心とした学術集会、シンポジウム、公開講座、研究会への参加を通じてさらに情報収集を行った。日本インドネシア人介護士(日本で介護士として働くインドネシア人)10周年記念シンポジウムにおいては、日本で介護士として精力的に活動する多くのインドネシア人看護師と本研究の内容に関して検討する場を設けた。彼らのうちの数名はインドネシアでの看護師資格を保持しているが現地での看護師経験はもっていなかったが、インドネシアの看護教育においては看護大学5年のうち最後の1年は臨地で実践を経験していた。彼らは日本の老人介護施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホーム等)で介護士として働いていたが、特に高齢者との対人援助関係構築についての調査対象者として適切であることが分かり、今回数名に研究対象者としての内諾を得た。医療においても、関係性と価値に基づく医療の意義が示されているが、福祉領域においては生活の場で行われる対人援助において関係性をどのように構築・維持していくのかは重要な位置をしめる。少子高齢化、高齢化率のさらなる上昇が進む中、地域包括ケアシステムにおける看護の役割はさらに広がっていくことが予想され、期待される。医療だけでなく保健・福祉の領域においても共通して活用できる対人援助関係構築の技術・維持・促進に関する看護教材開発につなげていく必要性を考える必要が高まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度の懸案事項だった対象候補者(外国人看護師)が自国に帰ってしまうことが多くなったこと、所属施設からの研究許可が下りない事がある、等により、インタビュー調査を開始するのが遅くなっている。結果的に、対象者の所属する施設の看護管理者にもアプローチすることができない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
新たに対象候補者として加える予定の日本インドネシア介護士(日本で介護士として働くインドネシア人看護師)との日程調整、所属施設への依頼、当該施設での倫理審査などにまだ時間を要すると思われるため、インタビュー調査を平成30年度にも継続しておこなうこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)インタビューに伴う移動(国内旅費)および謝金の支出がなかったため。 (使用計画)平成30年度以降にスライドして執行予定である。
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