研究課題/領域番号 |
16K11963
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
田所 良之 東京医科大学, 医学部, 准教授 (50372355)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 日本文化 / 対人援助 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、引き続き日本文化に特徴的な対人援助関係の構築・維持・促進に関する、学術的な情報の収集ならびに、既存の研究データの統合を進めた。 研究者のネットワークおよびSNSを活用し、日本-インドネシア人看護師(インドネシアで看護師のとしての臨床経験をもつインドネシア人で、EPAにより日本に来日し、日本の看護師免許を取得した後、日本で看護師として働いている者)、日本-インドネシア人介護福祉士(インドネシアでの看護師塩飽を持つ者で、EPAにより日本に来日し、現在日本で介護福祉士の資格を取得後、介護福祉士として働いている者。インドネシアでの看護の臨床経験は問わない)とコンタクトをとりつつ、適宜本研究へのアドバイスを受けた。また、これまでの研究で得た海外で働く日本人看護師を対象にした日本文化に特徴的な対人援助関係に関するインタビューデータの再分析、また、他研究者の行ったEPAインドネシア人看護師・介護福祉士のインタビューをもとに出版された書籍・研究成果を参考に、本研究の知見との照合、共通点・相違点の確認、統合を試みた。日本文化型対人援助関係は、日本人の生活の中における文化・価値観・習慣の中に見え隠れすることが多く、特に老人看護実践において顕在化しやすいと考えられた。その一方で、高齢者の生活背景にある文化、史実、成育歴など、高齢者のどのような体験や経験は現在の生活に影響し、生活規範になっているか、ということによって変化することが考えられた。また、病を抱えて長期に渡って療養する必要がある慢性性疾患をもつ対象者への看護実践においては、長期にわたって医療者・看護者との関係が続くことから、その中に日本文化型対人援助関係がみられることが示唆された。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大下においてweb開催されるセミナー、学術集会に参加し、可能な範囲で資料の収集を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による感染拡大により、大学自領域内での教育・実習のハイブリッド・オンライン化に向けた対応、教材作成、講義・演習・実習内容や方法の変更や調整のため当初研究に充てることにしていたエフォートを全て教育業務に充てざるを得ず、研究活動の継続が困難であった。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症により、対面でインタビューやデータ収集をすること、そのための移動が困難になり、加えて、対象候補者の属する医療福祉保健領域の業務ひっ迫により今後もオンラインであってもインタビュー等は研究参加が困難となる可能性がある。オンライン教育への対応などにより必要な研究時間の捻出が難しいこともあり、これまでの研究で既に得ているデータの再分析や先行研究の知見、EPA看護に関して発刊された書籍による知見などの統合により補っていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症による教育環境の変化、教育業務の増大により、予定していた通りに研究計画を実施することができなかったのが次年度使用額が生じた理由である。次年度使用額を用いて研究成果の統合を引き続き続けていくことを計画している。
|