研究課題/領域番号 |
16K11964
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
奥野 順子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (30307649)
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研究分担者 |
関森 みゆき 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (00313867)
櫻田 章子 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (20535504)
小宮山 陽子 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (50721966)
木戸 恵美 (市川恵美) 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (30457808) [辞退]
青木 雅子 武蔵野大学, 看護学部, 准教授 (00453415)
日沼 千尋 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (40248927)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ルーブリック / 小児看護学 / アクティブ・ラーニング |
研究実績の概要 |
本研究は小児看護学教育のアクティブ・ラーニングの学習評価について、ルーブリックモデルを作成し提案することが目的である。平成29年度の主な成果は2つの調査の実施と結果の分析である。 1つは、全国の看護系大学学士課程の小児看護学教育におけるアクティブ・ラーニングの実態調査である。回答80校のうち、アクティブ・ラーニングの学習方法について、授業形態別に最も多く行われていた方法は、「講義」と「実習」がともにレポートで、それぞれ80%、「演習」ではシミュレーションが70%であった。評価について、「講義」のレポートは評価基準等の設定55%、学生への提示44%、成績への反映64%であった。「実習」はレポートも実技も基準設定、学生への提示、成績反映は60%以上であった。「演習」のシミュレーションは基準設定32%、成績反映36%であった。ルーブリックを使用している大学は1/4、将来使用する予定は1/5、使用していないは1/2であった。 2つめはルーブリックを作成・活用している看護基礎教育を担当する大学教員数名へのヒヤリング調査である。ルーブリックの作成の際、観点(規準)の設定は、大学や学科に共通のものでは、ディプロマポリシーなどをふまえ科目の目的に共通する内容を、実習や課題では、目標に基づいた内容を設定していた。また学生の学びや要望を取り入れた場合もあった。基準は最も高いレベルからの設定、反対に及第点からなど様々であった。作成にあたっては、一つの観点に対して複数の基準が入らない工夫や点数化する場合の配点の困難などがあった。ルーブリックは成績評価以外に、教員との相互評価の指針とするなど、学習活動の支援ツールとして用いており、活用の利点は学習の指導のしやすさや教員間の基準の共通理解などであった。 また、前年度行った看護教育におけるルーブリックに関する文献検討の結果を学術集会において公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国の看護系大学の小児看護学教育に関する実態調査の回収率を上げるために、回答期間を延長したため、結果の集計や分析期間がタイトになったが、成果をまとめ、日本小児看護学会の学術集会に応募し採択された。また、ルーブリック作成に関するヒヤリング調査も同様に、成果を日本看護教育学学会の学術集会に応募した。 これまでの成果をもとに、小児看護学講義の試験問題解答作成の課題等に対するルーブリックおよび、小児看護学実習のルーブリックのモデルを作成した。 さらに、看護教育におけるルーブリックの研究について現状を把握するために関連学術集会に参加して、ルーブリックモデルの作成の参考にした。
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今後の研究の推進方策 |
前年度まで取りくんだ全国調査およびヒヤリング調査の結果については、学術誌へ投稿を行い、成果を公表する。 小児看護学実習と講義の課題に対するルーブリックモデル提示に向けて、ブラッシュアップのために、実際に使用した学生の意見を取り入れる。そのために必要な調査については、所属大学に追加の倫理審査を受ける。 ルーブリックのモデルの提示にあたっては、汎用性を見出していくために、ディプロマポリシーを踏まえ、小児看護学教育におけるルーブリックの位置づけを明確する。 最終年度にあたり、これまでの研究成果も合わせ、小児看護学教育におけるルーブリックモデルを報告書や関連学術学会に投稿し公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
全国の看護系大学の実態調査の集計費用や人件費が低額であったこと、また、ヒヤリング調査の対象者が少なかったり、学会参加の際に調査を行ったりしたため、謝金が少ないことで、使用額が少なくなった。 最終年度となる次年度は成果を公表するための主に学会参加費、旅費、文具の物品費に使用する。また、ルーブリックモデルの検討を進めるために、月1回程度の定期会議を開催するにあたり、会議費に使用する。
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