研究課題
本研究は小児看護学教育のアクティブ・ラーニングの学習評価について、ルーブリックモデルを作成し提案することが目的である。今年度は研究者が所属する大学の小児看護学の講義で行ったアクティブ・ラーニングを取り入れた学習について、作成したルーブリックを用いて学習評価を行い、ルーブリックの見直しを行った。ルーブリックの作成や見直しにあたっては、これまでの研究結果を踏まえて行った。主な視点は評価観点(評価規準)は学習目標に準拠しているか、評価尺度は到達度を見据えたものであるか、評価基準は客観性のある表記となっているかなどであった。アクティブ・ラーニングを取り入れた学習単元は、子どもの発達段階に応じた生活援助、子どもの入院環境、身体計測やバイタルサインの測定を含む子どものヘルスアセスメント、災害や虐待を受けた子どもの看護、紙上患者を用いた子どもの看護の展開であった。学習方法は、学生自身による講義内容についての試験問題と解説の作成やテキスト等を活用した反転学習、ジグソー法やペア学習などの協同学習の手法を取り入れた方法であった。学習にあたって、学生には事前にルーブリックと同様の内容を評価の視点として簡潔に示し、学習の到達内容を共有した。また学習の成果物(課題の提出物)は成績対象とし、成績評価に反映させた。一方、当初、本研究の対象外とした実習についても客観性のある評価が重要であるため、実習のルーブリックについても検討した。結果、臨床での学習である実習においては、学生が受け持つ患者等、学習条件が多様で複雑にあるため、汎用性のあるルーブリックを提案するには、今回の研究期間内では困難であり今後の課題となった。