研究課題/領域番号 |
16K11966
|
研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
西田 朋子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (20386791)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 新人看護師 / 教育支援 / 指導困難 |
研究実績の概要 |
データ収集を行うための具体についてさらに検討を進めた。 当初の計画では、指導する看護師に新人看護師の状況や指導の具体を記録してもらうことを想定していたが、面接調査の実施および文献検討結果から質問紙調査を実施することでその具体を明らかにし、特別な支援を必要とする新人看護師の実態と指導の状況を明らかにしていく必要性、指導者側への支援について明らかにすることが必要であるという結論に至った。 一方、特別な支援を必要とするという新人看護師に対する関わりに対しては文献も増えてきていることから、具体的な関わり方も明らかにされてきている。それらをふまえて、より個別な関わりが必要であることが見えてくる状況において、それらを明らかにしつつも個別具体的な部分が如実になりすぎないような研究上の配慮も必要であることが顕著になった。そのため、前年度より検討している質問紙調査を実施するにあたり、文献検討を進めた。 教育に携わる看護師が「成長が遅れている」ととらえた看護師の特徴と行われている教育・支援(小川・林・井村,2016)で明らかにされている特徴を軸として質問紙を検討していく準備をすすめた。 質問紙の対象としては、新人看護職員研修制度ガイドラインの「研修責任者」「教育担当者」「実地指導者」「看護師長」を想定し、それぞれの役割によってどのような新人に接しているのか(新人の実態)、またどのような指導実態があり、指導者もしくは管理者としてはどのような支援や教育を受けたいと考えているのかを探求していくことを想定している。また、選択式の質問紙だけでは把握できないような新人看護師の実態と指導状況や必要とする支援に関しては、面接調査に協力をしてもよいと回答した方に対して実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2018年10月~2019年3月初旬まで、産休および育休を取得したため研究中断をしたことによりすでに進捗が遅れていた。 それに加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う授業形態の変更とそれに対する対応等で研究時間をほとんど確保することができなかったこと、また2021年度は他機関での併任があり研究に充てる時間が大幅に減少した。
|
今後の研究の推進方策 |
新人看護師の指導を担っている看護師に対する質問紙調査を実施してデータを収集していく。 文献検討および面接調査をふまえた質問紙を開発していくことを想定している。 先行研究では、教育に携わる看護師が「成長が遅れている」ととらえた看護師の特徴と行われている教育・支援(小川・林・井村,2016)において、特徴として「学習の積み上げが困難、看護実践に必要なスキルの不足、安全性の欠如、患者・職員との関係形成困難、精神的脆弱さ、看護職員としての自覚と責任ある行動の不足」があげられており、支援としては「実践での指導、学習支援、対象理解と対象に合わせた指導、社会性の促進、主体性の促進、安全性の確保、環境の改善・調整」が明らかにされているが、具体的な現象は明らかにされていないこと、また指導する看護師が必要としている支援や知識等は明らかにされていないためその点も含めて探求していく。 具体的には、指導上困難な現象、その現象に対する指導の実際、指導者として得たいサポートや具体的な知識等を想定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染拡大の影響により講義や実習形態の大幅な変更を余儀なくされ、研究に十分着手できない状況になり、研究遂行が予定通りに進まず遅れるに至った。 次年度は、質問紙調査の実施に向けて研究計画を遂行し、予算執行するる。
|