国内文献検討では、「特別な支援」and「新人看護職」0件、「特別な支援」and「新人教育」1件、「新人看護師」and「困難事例」が2件であり、会議録がほとんどであった。また特別支援で検索を進めると特別支援学級の生徒や学生に対する関わりが検索され、新人看護師の実態を明らかにした文献ではなかった。さらに本研究で扱う特別な教育的支援を必要とする新人看護師は、発達障害や学習障害の診断を必ずしも受けているわけではないことから、十分な研究論文は見当たらないことがわかった。一方、小学生や中学生など、初等および中等教育での探究は徐々に進んでいる現状にあることから、医療看護系の実態も把握する必要性がある。 英文献では、「developmental disorders」「struggling learner」「learning disability」としてnursingに関する文献を選択したところ3件だった。また、 CHINAHLで同様の検索を行ったところ9件であり、各文献の引用文献等を確認したところ13件が該当した。対象は、看護学生が23件、看護師が12件、その他が15件であった。調査方法としては、ケーススタディのように個別の状況を明らかにしているものが多く、全体としてどのような傾向にあるのかを示したものはほとんど見当たらなかった。 国内の看護系の学会では、本研究の主要課題として扱っている「特別な教育的支援」を必要とする新人看護師に関する研究はみられていない。 面接調査実施に向けた聴き取り調査では、少なからず他の新人看護師よりも進捗の緩やかな者の存在が明らかとなっている。このような特徴を持つ新人看護師は、特徴として「看護技術の修得がゆっくりである」「自己評価が高い」「何度指導しても覚えられない」等があり、指導する側が疲弊したり、夜勤や一人立ちの時期を遅らすことをする必要が生じている状況が語られた。
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