研究課題/領域番号 |
16K11971
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研究機関 | 宝塚大学 |
研究代表者 |
合田 友美 宝塚大学, 看護学部, 准教授 (20342298)
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研究分担者 |
紅林 佑介 関西医療大学, 保健看護学部, 助教 (10636559)
池内 里美 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (30727475)
木原 俊行 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (40231287)
濱田 亜意子 関西医療大学, 保健看護学部, 助手 (80717629)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護教員 / メンタリング / キャリア支援 |
研究実績の概要 |
わが国では看護系大学が急増し、看護基礎教育のより一層の充実が求められるとともに、看護教員の確保や看護教員の教育力の向上が喫緊の課題となっている。特に、看護系大学教員のうち5年目未満者は3割以上を占め、5年~10年未満の者が2割と少なく空洞化が顕著であり、新人看護系大学教員の離職防止及び中堅教員の教育力の向上は急務である。このような中、新人看護系大学教員は、臨床から離れ、教員となって初めて教育やマネジメントに関する専門性の習得を迫られるため、不安や困難感など大きなストレスを抱きやすい。しかしながら、新人看護系大学教員に対する具体的なサポートシステムの開発は、十分とはいえない。 近年、わが国では、企業においてメンタリングによる人材育成が注目を集めている。そして、わが国の小・中学校の教師の授業力量の形成においては、既にメンタ―が大切な役割を担っている。これらの影響を受け、メンタリングによる支援は看護領域の人材育成でも行われはじめている。しかし、その対象は看護師に限られており、看護系大学教員に対するメンタリングの導入についての言及はなく、その成果は見当たらない。そこで、本研究では、メンタリングの手法を取り入れた「新人看護教員に対するメンタリングガイドブック」の開発を目指している。 初年次となる平成28年度は、ガイドブック作成の基礎資料を得るために、①メンタリングに関する国内外の先行研究を再度概観し、さらに②米国でメンタリングシステムを導入している看護系大学で勤務する教員を対象にした聞き取り調査と③国内の看護系大学で勤務する新人看護教員のキャリア支援ニーズに関する質問紙調査を中心に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本の看護系大学教員に対するメンタリングの導入については、未だ言及されていないが、米国の看護系大学ではメンタリングが日常化しシステム化されている。このため、平成28年10月に渡米して、メンタリングシステムを取り入れている看護系大学で勤務する教員を対象に聞き取り調査を行い、メンタリングの具体的方法や使用しているツールの実際、実施時の留意点等について、新たな知見を得た。これについては、現在、報告書を作成中であり、公表準備を進めている。 さらに、ガイドブック開発のための基礎資料を得るために、日本における新人看護系大学教員が教員生活を送るうえで必要な能力をどの程度身につけ、どのような支援を必要としているのかについて全国調査(質問紙調査)を行った。現在は、質問紙の回収が完了し分析を進め平成29年度の公表を予定しているため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、日本における看護系大学で勤務するベテラン教員に対する聞き取り調査を実施し、現行の新人看護系教員に対するキャリア支援における問題点と課題を再考して、メンタリングを導入する際の示唆を得る。そして、米国の先駆的な取り組みをメンタリングを基盤としながらも、わが国の新人看護教員の現状と文化や風土を考慮したメンタリングガイドブックの執筆にとりかかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に実施予定であった国内のベテラン教員への聞き取り調査(5件程度実施予定)が対象の都合等により1件しか実施できておらず、その費用が次年度に繰り越される見込みである。
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次年度使用額の使用計画 |
国内のベテラン教員への聞き取り調査(5件程度実施予定)を実施するための交通費や謝礼に使用する計画である。
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