先行研究から解剖生理学は、看護系大学においてほとんど1年次に開講されていることが明らかになっている。当初の計画では、解剖生理学を履修し単位を修得した2年生以上の看護学生を対象にVDT視読実験を行いディスプレイ画面上の「提示する情報量」「提示する情報の質」「提示する情報の形態」についてデジタル教科書や紙媒体の教科書における記憶強化のためのプロンプト付加について明らかにすることによりICTを活用した効果的なVDT画面設計について明らかにする予定だった。しかしコロナ禍で視読実験が困難となり2020年度に日本国内の看護系大学で「解剖生理学」を教授した教員(大学の看護系学部学科各1名)288名に対し質問紙調査を郵送法で実施し得られたデータを分析することに研究計画を大幅な変更を余儀なくされた。 質問紙は、「解剖生理学」の教授方法、使用教材などについてコロナ禍以前からの変化と今後の展望などについて記載する内容である。質問紙の返送率14%だった。得られたデータを分析し、コロナ禍で教授方法や資料提示方法など変化を余儀なくされたことが示唆された。 また、対面授業の利点と遠隔授業の利点を組み合わせたハイブリット授業の有用性も示唆された。 今後は、得られた結果の分析を深め看護学教育とICTの活用についても考察していく。記憶強化に必要なプロンプト付加についても関連させ教材の工夫についても考察したが研究成果としてまとめている段階で公表に至っていない状況である。
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