研究課題/領域番号 |
16K11974
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
植田 喜久子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40253067)
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研究分担者 |
山村 美枝 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (20277891)
松本 由恵 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (00583915)
鈴木 香苗 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (90595844)
横山 奈未 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (50638591)
山下 彰子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (10779705)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 専門看護師 / コンサルテーション / 複雑で対応困難な問題 / Clinical Pearl / 判断と行動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、専門看護師の「複雑で対応困難な問題」の明確化とコンサルテーション事例集の作成である。平成29年度に専門看護師7名にインタビューを行い、平成30~31年度から逐語録を作成し分析を開始した。その結果、Clinical Pearl(コンサルテーションで大切にしていること)、複雑で対応困難な問題、判断や行動についてカテゴリー化した。Clinical Pearlでは、25カテゴリーが抽出された。【コンサルテーションとは問題の本質を見極めることである】【コンサルテーションはプロセス、特に最初と最後が大切である】【関係性こそがコンサルテーションの土台である】【コンサルティが主体的に判断・実践できるように関わる】【CNSの在り方を模索する】【看護職がコンサルテーションを依頼しやすく工夫する】【他者にスーパーバイズを求める】などであった。 複雑で対応困難な問題では、11カテゴリーが抽出された。【コンサルテーションの基盤である対等な人間関係の形成困難】【CNS自身のスタンスの迷い】【コンサルテーションが浸透していない医療者の存在】【変化する患者の迅速な把握困難】【不明確な問題や解決方法への迷い】などであった。判断では、5カテゴリーが抽出された。【クライエントの全体像をCNS自身が得た情報から明らかにする】【医療者の思いや考え、看護実践を共有し、問題の本質を協働して明らかにする】【日ごろから組織の強みや課題を明らかにする】などであった。行動では5カテゴリーが抽出された。【クライエントの状況を確認しながら、他職種でケアできるように関わる】【CNS自身が主体的にケアを実践する】、【CNSが他職種とともにケアを実践する】などであった。、 令和元年度では、成果をもとに、コンサルテーション事例集の作成を始める。まず、編集方針や内容を検討し、複数名の専門看護師に原稿を依頼していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由は2点である。まず、領域での教員1名が産休となり、研究活動にかかる時間の確保が困難となったこと。つぎに、インタビュー内容の逐語録の分析にあたり、広島の豪雨災害のボランティア活動時期と重なり、研究会開催が困難な時期が長く続き、分析に時間を要したこと。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年5月現在、コンサルテーション事例集の編集方針や内容を決定し、執筆候補者に依頼していく予定である。令和元年12月を目途に第1原案を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進展がやや遅れがちであるために、昨年度実施する予定であったコンサルテ―ション事例集の作成に取り組む。その際に打ち合わせのための会議開催と旅費、執筆に関する消耗品費など経費を必要とする。
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