研究課題/領域番号 |
16K11978
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研究機関 | 大阪信愛女学院短期大学 |
研究代表者 |
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, その他部局等, 教授 (00203448)
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研究分担者 |
田中 あゆみ 同志社大学, 心理学部, 教授 (00373085)
田中 希穂 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (40399043)
豊島 めぐみ 大阪信愛女学院短期大学, その他部局等, 助教 (70773274)
小林 菜穂子 四條畷学園大学, 看護学部, 助教 (80751114)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高大接続 / 職業アイデンティティ / 学習動機づけ |
研究実績の概要 |
高大接続事業の主たる教育目標は,大学教員の講義や演習に触れて学習意欲を高めるとともに,職業的アイデンティティを高めて進路選択をサポートすることである.本年度は主に講義,見学,体験の形態で実施された「看護医療入門」の授業に参加した看護医療系進学を目指す高校2・3年生各30名に対して学習意欲(注意・関連性・自信・満足感の4領域34項目)と職業アイデンティティ(職業的アイデンティティ尺度10項目)について調査を行った.3年生の職業的アイデンティティは2年生に比べて高い傾向に留まった.また,学習意欲において3年生の注意と満足感は2年生に比べて有意に高かったが,関連性と自信に学年間の有意差は認められなかった.暗記型学習に依存傾向である生徒に入学後の専門学習に向けて看護について興味を持ち,看護学の学習への動機づけを高めるために,生体信号計測などの演習とweb教材の提供を想定している.本年度調査結果は実施予定の内容が学習動機づけと職業アイデンティティの発達に及ぼす影響を検討するための基礎データとする. 他方,大学における高校生対象の演習やWeb教材作成に関する課題を抽出し,今後の展開に活かせるように検討した.入学前の高校3年生を対象に,神経,呼吸,循環に関する基礎的な授業と筋電図,心電図,心拍数,血圧などの生体信号測定を体験させた.本年度は少人数で実施したために統計的な調査結果は得られなかったが,在学生との関わりを希望するなど実施運用面の意見も聞かれた. これらのことから,高校生のニーズを把握し,学習意欲や職業アイデンティティの発達を導くために多角的なアプローチを行い,進学後の看護医療系に関する学習レディネスの発達を促す必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
入学前の高校3年生を対象に,神経,呼吸,循環に関する基礎的な授業と筋電図,心電図,心拍数,血圧などの生体信号測定を体験させるグループ学習を計画した.しかし,対象者が大学に出向ける時期,大学側の実施可能期間,調査結果に入試などの影響がない時期など日程の考慮が必要となった.そのため,実施調査数が極端に少なくなった.本年度再考して,計画を進めたい.
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今後の研究の推進方策 |
1)主に講義,見学,体験の形態で実施される授業と2) 生体信号計測などの学習機会を含む大学でのグループ演習とweb教材の提供を実施する.調査協力が得られる生徒の学習動機づけと職業アイデンティティの発達の調査を行うと共に,前年度に参加し追跡調査可能な学生の入学後の自己効力感,学習動機づけ,職業アイデンティティの発達を継続調査し,高大接続事業における学習システムのあり方について検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度,高大接続事業の中で行われた大学における演習に参加した被験者数は予定よりかなり少なかった.演習で用いられる消耗品や謝金など経費は次年度に繰り越し,本年度不足したデータを補う予定である.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に行われる生体計測(筋電図,心電図,呼吸器量など)等の演習で使用するセンサーや付属消耗品および調査参加者の交通費と謝金などに使用する.
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