平成30年度は、訪問看護師のための職員教育プログラムの開発、教育内容の有用性を検証することを目的に、各地で研修会を開催し、調査結果をまとめた。 「ハラスメントから看護師を守る-当事者を支える組織づくり-」という特集を企画し、2編の誌上発表と実態調査の結果を誌上発表した(看護展望)。日本産業衛生学会、日本産業看護学会、22nd East Asian Forum of Nursing Scholarsで演題発表し、日本精神保健看護学会で「訪問看護師の暴力に対する危険予知訓練(KYT)の活用」のワークショップ、日本トラウマティックストレス学会で「暴力等の惨事ストレスを被った看護師や看護管理職に対する支援」のシンポジウムを開催した。文献レビューを産業精神保健、地域連携 入退院と在宅支援で発表した。 成果物として、暴力・ハラスメント対策のために、6種類の啓発ポスターを作成した。また、本研究課題「在宅ケアを受ける患者・家族からの暴力・ハラスメント防止方策の構築」のホームページを開設した(https://www.miki-kmu.com/)。諸外国での暴力対策、諸外国でのリスクアセスメントツール、諸外国での暴力防止教育プログラム、これまでの調査結果として日本の現状、管理者への支援、利用可能なツールを掲載し、6種類の啓発ポスターはダウンロード可能とした。 わが国初となる訪問看護師向けの暴力・ハラスメント対応の書籍「訪問看護・介護事業所 必携!暴力・ハラスメントの予防と対応-スタッフが安心・安全に働くために-」を発行し(メディカ出版)、全国訪問看護事業協会(編著)と協力し、監修・著者の役割を果たした。書籍から、事業所内で研修ができるようにスライド、暴力・ハラスメント対応に必要な基本的知識が学修でき、暴力のKYTのイラスト、リスクアセスメントチェックリスト、対応フローがダウンロードできる。
|