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2019 年度 実績報告書

急性期病院におけるせん妄予防管理の標準化に向けたクリニカルパスの開発及び効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K11982
研究機関静岡大学

研究代表者

小林 美亜  静岡大学, 創造科学技術大学院, 特任教授 (00327660)

研究分担者 山之内 芳雄  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神医療政策研究部, 部長 (70340263)
藤井 千代  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部, 部長 (00513178)
藤田 伸輔  千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20268551)
上野 秀樹  千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60642048)
真原 仁  千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00589830)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードせん妄 / クリニカルパス / 標準化 / 予防
研究実績の概要

我が国において、せん妄を予防するための薬物療法や環境管理などの多面的な側面からの包括的標準プログラムの効果を検証した研究は限られている。急性期病院では、高齢者の入院患者の増加に伴い、せん妄の発生は大きな問題になっていることから、せん妄予防のための標準化された包括プログラムを開発し、その臨床・経済効果を検証することは急務の課題である。そこで、標準化された包括プログラムを展開するツールとして、クリニカルパス(以下CP)を活用し、せん妄予防管理の効果を検討した。
研究対象とした急性期3病院のうち、運用まで至った2病院(Aは呼吸器外科病棟、B病院は整形外科病棟の患者)を対象とした。A病院では、どの患者でも汎用的に活用できるせん妄予防管理のケアパスを作成した。B病院では、既に活用されているCPに、せん妄予防管理の項目を設定した。CP導入前期間は令和1年9月~11月、 CP導入後期間は令和1年12月~令和2年2月とした。
A病院、B病院ともに、CP導入前後で、せん妄の発生件数、入院期間に統計的有意差は認められなかった。しかし、A、B病院ともに、せん妄の発生率は減少していた。また、インシデントの発生件数も減少していた。A病院では、ベンゾジアゼピン系薬を処方された患者が、CP導入前は24人(11.7%)であったが、CP導入後は9人(4.6%)であり、統計的有意差が認められた(Chi-squared test、p<0.05)。B病院では、CP導入前にブロチゾラムの定期処方有が4件、エスゾピクロンの定期処方が3件であったが、CP導入後はいずれも0件となった。スボレキサントの定期処方は、CP導入前が0件であったが、CP導入後は4件となった。
せん妄予防管理のCPのさらなる標準化を進め、運用することにより、せん妄の発生率の低減への貢献が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 患者安全の保証につなげるためのパスの作成と運用2019

    • 著者名/発表者名
      小林美亜
    • 雑誌名

      日本クリニカルパス学会雑誌

      巻: 21(2) ページ: 83-84

  • [雑誌論文] 認知症・高齢者看護の倫理的ジレンマとどう向き合う? : 身体拘束に焦点をあてて2019

    • 著者名/発表者名
      小林美亜
    • 雑誌名

      ナーシングビジネス

      巻: 13 ページ: 972-978

  • [学会発表] 患者安全の保証に向けたクリニカルパスの活用2020

    • 著者名/発表者名
      小林美亜
    • 学会等名
      第20回日本クリニカルパス学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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