研究課題/領域番号 |
16K11995
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
金子 さゆり 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (50463774)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護管理者 / コンピテンシー / プログラム開発 / 教育 / 研修 |
研究実績の概要 |
本研究は看護管理者のマネジメント能力の向上を目指した科学的かつ効果的な組織的人材育成の方策を検討することを目的としている。 本年度は、昨年実施したアンケート調査をもとに「看護管理者のキーコンピテンシー尺度」を開発し、尺度の信頼性と妥当性を検証した。また、「看護管理者のキーコンピテンシー」の下位概念である5つのキーコンピテンシー(状況認識、意思決定、メタ認知行動、キャリア支援、自己管理)に関連する内的要因(個人の問題意識やリフレクションなど)、外的要因(上司や同僚からの支援など)との関連について分析を進めた。 看護管理者2480名から回答が得られ(回収率56.2%)、そのうち看護師長1227名を分析した結果、3つの内的要因、すなわち「振り返りからの状況適応」、「実現可能な目標設定」、「積極的取り組み」が、5つのキーコンピテンシーに共通して関連がみられた。また、2つの外的要因、すなわち「上司による権限委譲と進捗状況の確認」と「同僚による成功体験や失敗体験の振り返り」が、5つのキーコンピテンシーに共通して関連がみられた。経験学習においてはリフレクションが重要視されており、振り返りからの状況適応が関連していたことから、今後の組織的支援のあり方として、具体的な事例を議論できるグループリフレクションなどの導入が期待される。また、上司の権限移譲のあり方を見直し、同僚間のネットワークや情報共有する場を設けることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した分析は終了したが、さらに詳細な分析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、詳細な分析を行い、看護管理者のキーコンピテンシー向上に資する科学的かつ効果的な組織的支援のあり方について再検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
H30年度に演題登録した研究成果をH31年の国際学会で発表するための費用
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