研究課題/領域番号 |
16K11998
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研究機関 | 日本赤十字秋田看護大学 |
研究代表者 |
佐藤 美佳 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 講師 (40739281)
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研究分担者 |
西沢 義子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (60113825)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 放射線災害看護 / 災害看護教育 / 看護基礎教育 / 放射線看護教育 / 被ばく医療 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、災害直後から支援できる看護の基礎的知識を理解した看護師育成のために、放射線災害看護を含めた看護基礎教育における災害看護教育プログラム構築をはかることである。 平成28年度は国内外の文献検討を行い「放射線災害看護」の構成要素を明確化した。検索した493文献のうち、看護実践について記載のない文献は除外して97文献を分析対象とした。それぞれの文献における看護実践と必要な知識に関係する内容を抽出し、分析はSPSS Text Analytics for Surveys 4によるテキストマイニング技法を用いた。その結果、97レコードから399キーワードが抽出され、最終的に13カテゴリから【放射線の基礎知識】【放射線災害医療】【災害対策】【看護職の役割】の4コアカテゴリに分類した。 そして平成29年度は、平成28年度に実施した放射線災害看護実践者および放射線被ばく医療実践者へのインタビューデータの解析を行い、放射線災害看護に必要とされる基礎知識と実践力を明らかにした。分析方法はBerelson.B(1954)の内容分析の手法を参考にカテゴリ化した。インタビュー内容から49コード、15サブカテゴリ、10《カテゴリ》が抽出され、【放射線の基礎】【放射線災害医療】【看護職の役割】の3コアカテゴリに分類された。【放射線の基礎】は《放射線の基礎知識》《放射線の健康影響》《放射線量測定》《放射線診断と治療》の4カテゴリ、【放射線災害医療】は《放射線災害医療》《放射線災害の歴史》の2カテゴリ、【看護職の役割】は《放射線防護》《放射線診断と治療における看護》《不安の軽減》《健康支援》の4カテゴリで構成された。放射線災害看護に必要な基礎知識と実践力として、上記の《カテゴリ》に該当する10項目が明確となった。日本放射線看護学会学術集会および21st EAFONS &11thINCで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は、平成28年度に収集したデータについて、混合研究法を用いてデータの分析を行い、その成果に基づく災害看護教育プログラムの構築を目指した。しかし、質的分析に当初の予想以上に時間を要し、同データの計量テキスト分析の完了には至っていない。今後、早急に計量テキスト分析を行い、質的分析結果と統合し、放射線災害看護に必要とされる知識と実践力の明確化を図る必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終目的である、災害直後から支援できる看護の基礎的知識を理解した看護師育成のために、放射線災害看護を含めた看護基礎教育における災害看護教育プログラム構築に向け、平成29年度の質的分析を通して形成された10カテゴリと計量テキスト分析の結果を統合し、放射線災害看護に必要とされる基礎知識と実践力の明確化を図る。さらに、これらを含めた災害看護教育プログラムの作成を進め、作成した教育プログラムについて、専門家会議を設け、妥当性の検証へと進めて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に収集したデータの分析結果に基づく教育プログラム作成に要する文具代(USBメモリー、ファイル、付箋、プリンタ用インクなど)および資料収集、研究代表者と分担研究者が研究の打ち合わせを行うための旅費および、学会発表のための旅費等に使用する。
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