研究課題/領域番号 |
16K11999
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小原 泉 自治医科大学, 看護学部, 教授 (80266642)
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研究分担者 |
森下 典子 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (30572234)
笠井 宏委 京都大学, 医学研究科, 助教 (40517819)
野崎 章子 千葉大学, 看護学部, 助教 (90361419)
吉村 健一 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (30415517)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 臨床研究コーディネーター / 現任教育 |
研究実績の概要 |
わが国のCRCの現任教育の全体像を明らかにする目的でCRCの現任教育プログラムについて調査を行ったところ、医療機関73施設、SMO協会加盟35社より回答を得た。その結果、一定の規模以上の施設と、CRC配置数の少ない小規模施設では、CRCの人数だけではなく、①CRCの経験年数、②CRCの教育担当者の有無、③所属施設外の集合教育プログラムの活用状況、④所属施設内のCRC教育の内容について違いがあった。一定以上の規模の施設の方が、経験年数の長いCRCが多く、教育担当者を決めており、施設内外の教育プログラムを活用していること等が明らかとなった。CRCの自立度と将来像については、小規模施設の方がCRC経験の浅い時期から自立した対応が求められていること、一定規模以上の施設のCRCは小規模施設のCRCよりも所属内外の教育に講師として関与する者や学会等での発表経験がある者が多いことも明らかとなった。認定取得者は調査施設のCRCの16%に留まっていた。 次に、わが国のCRCの熟達度の現状を明らかにする目的で独自に調査票(以下、CRC熟達度調査票)を作成し、その信頼性・妥当性を確認するための調査を行った。信頼性については、日本病院薬剤師会主催CRC養成フォローアップ研修受講生に対する再テスト法の結果、級内相関係数は0.8以上であることが確認できた。妥当性については、前述の現任教育調査の対象機関のCRCを対象に調査を行い(回答期間:2017年7月24日~8月28日)、1244名から回答が得られた。因子分析等の解析を実施中である。 加えて、CRC熟達化とその影響要因の質的検討を行う目的で、各機関におけるCRCの教育計画者、教育の受け手それぞれに対するグループインタビューを2018年2月18日および3月17日に実施した。データの整理(逐語録作成)および結果を分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の研究期間のうち、2年目に予定していた調査を計画通り実施することができた。教育計画者、教育の受け手それぞれに対するグループインタビューの一部は、当初は3年目に予定していたが、年度を繰り越すことで人事異動の影響を受け、対象者確保が困難となることを考慮し、その大半を平成29年度に繰り上げて実施した。得られた調査データの集計・解析がやや遅れているが、研究の進捗上悪影響を認めているわけではない。
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今後の研究の推進方策 |
2年目に得られたデータの集計・解析を進め、3年目に予定している調査(SMOにおける教育計画作成者へのグループインタビュー)を実施する。全調査結果をふまえて、治験・臨床研究実施機関の特性の応じたCRCの現任教育の要件を明確化し、教育プログラムの例示と教育担当者に対するプログラム運用ガイド作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度に予定していたデータ収集(グループインタビュー)の一部を平成29年度に実施したため、前倒し請求をさせていただいた上で使用した。次年度使用額が生じた理由は、グループインタビュー協力者の旅費が当初見込みより低額であったこと、研究班会議に欠席した分担研究者がおり旅費を要しなかったこと、データ入力作業料が当初見込みより低額であったこと、である。次年度は、研究班会議を開催する旅費がもとより不足していることから、次年度使用額をこれに充て、研究の円滑な進行を図っていくこととする。
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