研究実績の概要 |
対象者の性別は女性191名と男性53名、平均年齢±SDは44.8±11.3歳、平均臨床経験年数は17.6±10.7であった。 かかわり先は、同じ部署の同僚(28.4%)、同じ部署の上司(25.5%)、同じ部署の先輩(20.0%)の順に多く、エンパワメント平均得点は2.7±0.7であった。 分析の結果、同じ部署の同僚とのかかわりは、26年以上群が5年未満群よりも、50歳代及び60歳代が20歳代よりも有意に多く(p<0.05)、他の部署の後輩とのかかわりは、高卒群が専門学校卒群よりも有意に多かった(p<0.05)。エンパワメント得点は、他の部署の先輩(3.0±0.9)、他の部署の後輩(2.9±0.4)、同じ部署の先輩(2.7±0.7)の順に高く、同じ部署の上司とのかかわりとエンパワメントには有意な正の相関(r=0.2, p<0.05)、同じ部署の先輩とのかかわりと臨床経験には有意な負の相関(r=-0.2, p<0.01)及びエンパワメントには有意な正の相関(r=0.2, p<0.05)、同じ部署の同僚とのかかわりと年齢(r=0.3)及び臨床経験(r=0.2)には有意な正の相関(p<0.01)、他の部署の後輩とのかかわりと学歴には有意な負の相関(r=-0.2, p<0.01)、また過去1年以内の院外研修参加の有無とエンパワメントには有意な正の相関(r=0.4, p<0.01)がみられた。 臨床経験が浅いNSは同じ部署の上司や先輩とのかかわりが増すことによってエンパワメントが高まる可能性が示唆された。これは、上司及び先輩、同僚及び後輩との関係を表した結果であった。エンパワメントは、他の部署の先輩及び後輩、同じ部署の先輩とのかかわりを大切にしているNSほど高く、学歴との相関関係から高卒群や専門学校卒群は所属する部署を越えたかかわりを大切にしているといえる。
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