研究課題/領域番号 |
16K12002
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
米澤 弘恵 聖徳大学, 看護学部, 教授 (90258989)
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研究分担者 |
水戸 美津子 聖徳大学, 看護学部, 教授 (50157559)
石津 みゑ子 和洋女子大学, 看護学部, 教授 (50258985)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 臨床看護師 / 構造的エンパワーメント / 感情労働 / 共感疲労 / 看護実践環境 / 職業性ストレス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、臨床看護師が抱く感情的不協和や、感情管理など感情労働によるストレスが構造的エンパワーメントを高めることによってどのように低減できるかについて明らかにし、Healthy Work Environment(以下HWEとする)に向けて感情管理のための教育プログラムおよび介入プログラムを作成して、離職防止対策に資すことである。 平成30年度は、前回の調査データを基に「臨床看護師の感情労働(ELIN)、および共感疲労(Ko-MuLDIA)が職業ストレス(BSQ)に与える影響」について検討し、職業性ストレスには特に共感疲労の「共感的苦痛」「個人的苦痛」、感情労働の「深層適応」が有意に影響していたことが示されたことから、臨床看護師は感情的な規制状況に直面しており、心からの感情を表現することは不適切であると感じていることや、自分の共感レベルに無能さを感じていることなどが共感疲労に繋がり、この苦痛が職業性ストレスを増大させていることをEAFONS 2019に発表した。また、「臨床看護師の職業性ストレス(BSQ)と構造的エンパワーメント(CWEQ-Ⅱ)との関連」について検討し、BSQに有意な相関を示したのは「経験年数」「主観的健康度」「離職意図」とCWEQ-Ⅱの「情報」「支援」「資源」「業務環境」「活動の機会」「エンパワーメントの機会」の9変数で、特に「資源」「業務環境」はBSQと有意な負の関連があること、「支援」では有意な関連があることを明らかにし「資源」活用や業務「支援」へのアクセスが容易であること、および働きがいのある「業務環境」であるように職場環境を整えることが看護師のエンパワーメントを高めるのに効果的であることをEAFONS 2019に発表した。 最終目的である臨床看護師の離職防止を目指し構造的エンパワーメントを高めるための教育プログラムの作成については、これまでの分析結果を踏まえて作成を進めているところである。
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