研究課題/領域番号 |
16K12006
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
荒添 美紀 杏林大学, 保健学部, 特任教授 (60458396)
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研究分担者 |
天野 雅美 杏林大学, 保健学部, 教授 (10468382)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 職種間連携 / コミュニケーション / コミュニケーションギャップ / 認知症を有する患者の退院 / 困難 / 情報ギャップ / 認識ギャップ / 感情ギャップ |
研究実績の概要 |
ヒューマンスキルの基本となる職種間連携でのコミュニケーションの特徴は、【言いたいことを言ったり一方的に話す】【話し方や態度が上から目線で威圧的】【人の話を聞かない】【専門用語や情報不足で伝わっていない】【思い込みや勝手な解釈】【職種によってはヒエラルキーがある】【話し合いや相談・調整】【情報の共有】【怖いと感じる】【言い方や対応で心が傷つけられる】などであった。各職種の認識は、【各職種がやるべきことを行うことが連携】【各職種で調整したりサポートするのが連携】【職種の役割や役割分担が明確でない】【各職種の役割が理解されていない】【見る視点が違うことで患者の理解が違う】【患者は自宅と病院では態度が違う】【専門職による意見の相違】【退院に向けての目標が違う】などで、職種によって違いが認められた。認知症を有する患者に対しても、【入院することによる認知症の悪化】【病院では認知症と言われてしまう】【家族の受け止め方が違う】【家族の介護力不足】【認知症を有する患者の退院調整はしていない】など、職種による認識の違いが認められた。職種によるコミュニケーションスキルや認識の違いがコミュニケーションギャップ(情報・認知・感情ギャップ)となり、コミュニケーションの困難さに繋がっていた。 コミュニケーションギャップへの対策を含めたコミュニケーションの育成には、①他職種が何を知りたいのか、必要な情報は何かなどを理解したうえで、分かりやすい言葉や態度で伝えていける、②患者の捉え方や各職種の思いなども理解できる、③入院初期の医学モデルから生物・心理・社会モデルへの認識のモデルチェンジができるなどの内容を、講義や演習で育生するとともに、各職種の役割や職種の理解も深めたり、文字としての知識を実感が伴う知識に繋げられるよう、臨地実習の工夫や各職種が共に学べる研修などの教育プログラムを検討していく必要がある。
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