研究課題/領域番号 |
16K12009
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
阿部 祝子 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (40575693)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護実践能力 / 客観的評価 / パートナーシップ看護体制 |
研究実績の概要 |
看護師の看護実践能力に関する概念,客観的評価について,文献レビューを行い整理した.その結果,看護実践能力については,日本看護協会の各種報告書に基づき定義している研究が多かった.看護実践能力の評価は,自己評価と他者評価について,看護師の意識レベルでの評価項目・評価レベルを示す研究が多かった.しかし,他者(看護管理者)による評価の具体的方法を述べている研究は少なかった.特に,スタッフの看護実践のすべてを観察できない看護管理者が,どのようなタイミングで,どのような手段(患者や同僚の評価,指導者の評価,看護記録内容,報告内容,看護実践の帯同など)を活用し,何を基準(各施設で設定している基準の解釈)に評価しているかは事例紹介・報告レベルのもので一部の報告にとどまり,わずかしか見当たらなかった. これらの文献レビュー結果を踏まえて研究計画を立案し,学内の研究倫理委員会を受審し,承認を得た. そして,予定していた研究協力施設10施設のうち,4施設についてすでに看護部トップマネジャーの研究協力の同意を得て,施設内で複数の協力病棟の選定を進めてもらっている.さらに,看護部トップマネジャーの人事異動に伴い3施設を変更し,他3施設は研究同意に向けた手続きを進めている. さらに,以前の研究におけるパートナーシップ看護体制下における看護師の看護業務を調査したデータに基づき,看護実践能力の実態について研究成果を発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護師の看護実践能力に対する客観的評価,特に看護マネジャーの具体的な評価方法に関する文献が少なく,検索・整理するのに時間を要した.そのため,研究計画について,研究倫理委員会への申請が予定より遅れた. また,予定していた研究協力施設の看護部トップマネジャーの人事異動による事務的煩雑さのため研究協力依頼の日程調整や説明に時間を要したり,研究協力施設を変更したため協力の内諾プロセスに時間を要した.
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今後の研究の推進方策 |
調査が,研究施設の前期目標管理面接に間に合うよう,研究協力施設の同意を得るプロセスを急ぐ.そのために,看護実践能力の評価項目について,施設の設定項目と文献レビュー結果を対比させ,看護部トップ及びミドルマネジャーが判断しやすい資料を作成・提示し,インタビュー調査の効率を高める.
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次年度使用額が生じた理由 |
文献レビューに予想以上に時間を要したこと,研究協力について3施設の変更を要し協力要請に時間がかかり,他3施設については看護部トップマネジャーの異動に伴い日程調整等の関係で研究同意を得る時期が遅れている.
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次年度使用額の使用計画 |
協力要請・同意を得る作業,看護部トップマネジャーなどへのインタビュー調査や病棟における目標管理評価時の実態調査のための旅費,宿泊費用として使用する.また,調査結果の分析にあたり,連携研究者とのディスカッションやアドバイスを得るために使用する.さらに,研究成果を関連学会で発表するための費用として使用する.
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