研究課題/領域番号 |
16K12011
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
吉田 えり 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30623798)
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研究分担者 |
蓮池 光人 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (30760657)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ストレス反応 / Sense of Coherence:SOC / 職場環境 / 看護師 / 離職予防 |
研究実績の概要 |
メンタルヘルスの不調に係る一次予防対策として、職場環境の改善が有効である。職場環境においてはストレスの原因を完全に除去することは困難であるため、ストレスの原因を低減させるとともに、ストレス対処といった個人要因を同時に高めることも必要で、一般企業はもとより、ストレス反応の多い看護師の職場環境の改善は離職予防と合わせて求められている。 本研究は、ソーシャルネットサービス(SNS)などで普及している、プッシュボタンにヒントを得て、感謝や承認の気持ちを伝えるサンクスカード、OKカードを改良した「いいね!」シールを導入し、職場の有効性を高め、ストレス反応を低減し、個人要因である健康保持要因のSOCを高める職場環境改善プログラムの確立を図るものである。 平成28年度では、病院に勤務する看護師へ自記式質問紙調査、ベースラインの検討・記述統計を行い、自記式質問紙調査を実施した病院へ報告した。 平成29年度では、平成28年度に実施したベースラインの解析、プログラム実践を主に行った。プログラム実践は8週間であった。プログラム実践の効果判定指標には、ベースラインの検討で用いた指標、すなわち、対象属性として、性別、年齢、臨床経験年数、配偶者の有無、子どもの有無、資格の種類、役職の有無、配属部署を尋ねた。効果判定指標として、職業性ストレス簡易調査表、日本語版首尾一貫感覚尺度短縮版(SOC-13)、勤労者のためのコーピング特性簡易尺度、健康習慣指数、主観的健康度であった。さらに、プログラム実践の希望をいただいた病院への説明と同意、ベースラインの検討、プログラム実践を先行した実践と同条件で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度では、ベースライン検討をした施設へのプログラム実践と効果判定の解析を計画していた。例数の確保も計画に入れていたが、幸いにもプログラム実践の希望をいただいた施設を新規に加えた。プログラム実践病院との調整の結果、ベースライン検討からプログラム実践と、年間を通してプログラム実践に注力することになったため。 その結果、効果判定の解析まで至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、プログラムの検証・確立等、本研究を総括する年度となる。まずは、プログラム実践から得られたデータの記述統計・解析に注力する。なお、複数の施設によるプログラム実践となるため、データを合わせて解析可能か、研究分担者と十分検討する必要がある。 得られた結果はプログラム実践にご協力いただいた病院等参加者へ報告する。さらに、所属学会へ発表し、論文の作成を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
プログラム実践病院は補助事業を実施する研究機関の近隣であったこと、研究分担者が同一研究機関であったこと、さらに研究連携者との調整・連絡等には、メールを積極的に用いたことにより、交通費・通信費をほとんど要しなかった。プログラム実践で用いたデータ保存の資材等、研究実践に係る費用のコストを抑えたため、予想を超えたコストパフォーマンスとなった。 平成30年度は、解析に基づくプログラム検証・確立等、総括する年度となる。解析では、新規書籍の購入や資料の取り寄せる。所属する学会の発表等は遠隔地となるため、交通費・旅費が必要になる。また、論文投稿に係る費用も必要となる。
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