研究課題/領域番号 |
16K12015
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
山口 善子 活水女子大学, 看護学部, 助教 (40589610)
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研究分担者 |
大池 美也子 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 教授 (80284579) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護師 / 仕事 / 家族 / ワーク・ライフ・バランス |
研究実績の概要 |
本研究は、看護師が仕事と家族役割を遂行することにより得られる豊かさ、ワーク・ファミリー・エンリッチメント(Work-Family Enrichment)を測定する英語版尺度の日本語版を開発し、信頼性と妥当性を検証することを目的としている。当該年度は、日本語版ワーク・ファミリー・エンリッチメント尺度を完成させ、作成した日本語版ワーク・ファミリー・エンリッチメント尺度を用いた質問紙調査を実施することを予定とした。前年度に引き続き、日本語版ワーク・ファミリー・エンリッチメント尺度の文言、内容等について、英語原版著者とやり取りを繰り返し、2017年2月に英語原版著者より日本語版尺度について承認を得た。その後、日本語版ワーク・ファミリー・エンリッチメント尺度の信頼性・妥当性を検証するための調査に用いる質問紙の内容を検討した。先行研究を参照し、英語原版著者が実施した方法を参考に、ワーク・ファミリー・エンリッチメントの先行要因となる変数、関連する結果変数等を検討し、各変数を測定するための尺度を検索した。尺度の検索を行う中で、ワーク・ファミリー・エンリッチメントの先行要因とされる、仕事及び家族負荷を測定する尺度の日本語版が見つからず、英語版尺度を使用することとした。2017年8月に仕事及び家族負荷尺度の英語版著者(Dr. Matthews, R. A)に、仕事及び家族負荷尺度の日本語版作成について許可を得て、順翻訳、逆翻訳を行い、2017年11月に英語原版著者より、日本語版仕事及び家族負荷尺度の内容について承認を得た。その後、調査に用いる質問紙調査票を完成させ、2018年2月に活水女子大学倫理委員会へ研究調査の倫理申請をした。2018年3月、申請した研究調査は「条件付承認」となり、現在、倫理委員に指摘された内容について修正を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度中に、作成した日本語版ワーク・ファミリー・エンリッチメント尺度を用いた調査を行う予定であったが、尺度の予測的妥当性を検証するための変数のひとつである「仕事及び家族負荷」を測定する尺度の検索と、尺度を日本語版にすることに時間を要した。しかし、日本語版ワーク・ファミリー・エンリッチメント尺度は完成し、尺度を用いた質問紙も完成している。研究倫理審査の承認も得られるので、今後はすみやかに調査を実施することができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
活水女子大学倫理委員会より本研究調査の承認が得られたら、日本語版ワーク・ファミリー・エンリッチメント尺度を用いた質問紙調査を行う。九州内の病院、訪問看護事業所、介護老人保健・福祉施設をランダムに抽出し、本調査研究の趣旨・目的等を説明し、同意を得られた病院、訪問看護事業所、介護老人保健・福祉施設に勤務する看護師を対象に調査を行う。その後、調査により得られたデータを分析し、日本語版ワーク・ファミリー・エンリッチメント尺度の内的一貫性、基準関連妥当性、弁別的妥当性、構成概念妥当性の検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に実施する予定であった調査を行えなかったため、次年度使用額が生じた。次年度の研究費の主な使用計画は、質問紙調査に係る費用(質問紙調査票の作成、調査依頼文書の発送、質問紙調査票の発送・回収に係る郵送費、データ入力等)、データ記録用メディア、データ整理のための文具費用、得られた結果の公表のための学会参加費、旅費等の経費を予定している。
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