研究課題/領域番号 |
16K12020
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
矢富 有見子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (40361711)
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研究分担者 |
井上 智子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 大学校長 (20151615)
山崎 智子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (10225237)
川本 祐子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (70527027)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クリティカルケア看護 / 基礎教育 / 新人看護師 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、クリティカルケア領域の看護師のニーズや困難、求められる能力を大学の基礎教育から取入れ、クリティカルケア領域を牽引していく人材を育成するためのキャリア開発支援システムを構築することが目的である。そのために、文献検討や教育の実態の調査、大学生、クリティカル領域の看護師、管理者への調査を予定している。そして調査を基礎資料とし、大学におけるカリキュラムの内容や実施方法などを構築することを目指している。 平成30年度まで、基礎教育のシステムや卒後看護師の能力や経験に関して文献検討を進めた。特に、クリティカルケア領域における新人看護師の困難、集中治療室における看護師の臨床判断に関して、おおむねまとまった。また関係者への聞き取りもふまえ、量的質的に調査を実施するための質問紙とインタビューガイドの作成を行った。同時に倫理委員会書類の作成を行い、承認が得られ次第、調査開始する予定である。同時に大学で実施できるコースの方法や演習内容、組織編成の検討をすすめている。 基礎教育では、学生が周手術期や集中治療、救急看護といったクリティカルケア看護に関心がよせられている。しかし、学生の興味は、順調な回復への手応えや、先端機器・医療への羨望や好奇心という場合も少なくない。一方新人看護師は、緊迫した環境や患者の特殊性、迅速な判断が求められることなど、領域特有の困難に直面していることがわかった。加えて、困難の解決方法の不足や新しい生活へのストレスといった領域を問わない困難も抱える。またクリティカル領域で求められる臨床判断の中には、高度の医療機器や緊迫した状況に対応することや、患者・家族への対応、チーム内での立ち振る舞いといったことも求められる。こうした困難と求められる能力をどの程度基礎教育で養っていくか検討をすすめる必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アンケートやインタビュー調査の前に文献検討やヒヤリングに時間をかけたところ、調査項目を再検討する必要があり、当初の想定より時間を要した。また、調査項目は現状を明らかにする側面と、コースに組み込まれると予想される内容の側面があり、それらの整理も行ったために実際の調査開始までに時間を要している。また、研究代表者の所属変更や研究代表者の分野の人員の入れ替えがあり、本研究に時間を費やす時間が減少してしまった時期が多く、研究全体に影響を及ぼした。研究を実施する施設や協力してもらう人員などの再考などにも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、これまでの検討より構成したアンケートやインタビューを倫理委員会の承認を待ち、実施する。調査項目の検討や準備に時間はかかったものの、準備は整いつつある。実際に学部生へコースを開設するまでには至らないものの、コースの内容や教育方法を考案するための重要な資料は得られると考えている。そのため研究の方針や方策はそのままとし実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:当初より予定していた、4年生看護大学学生、クリティカル領域の看護師・病棟管理者へのアンケート調査およびインタビュー調査を実施するため、調査費が必要である。また、調査内容の入力や分析作業にも予算が必要である。調査後にコースの吟味・内容の検討のための予算も必要である。 計画:次の内容で予算立てを行っている。アンケート調査;アンケート作成費、郵送費用、入力・分析費用。インタビュー調査;調査のための交通費、入力・分析費用。調査の統合とカリキュラム(コース)内容の考案;書籍・雑誌・DVD等の資料費、デモ用記録機器、情報収集のための交通費など。
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