研究課題/領域番号 |
16K12021
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大桑 麻由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (30303291)
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研究分担者 |
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
藤野 陽 金沢大学, 保健学系, 准教授 (40361993)
木村 圭一 金沢大学, 大学病院, 助教 (50372488)
松本 勝 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (40751904)
臺 美佐子 金沢大学, 保健学系, 助教 (50614864)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | PAD / 振動 / 経皮酸素分圧 |
研究実績の概要 |
本邦では,末梢動脈疾患患者が増加し,この病態は進行性の下肢血管の虚血・閉塞を主とするため,進行すると,安静時疼痛・壊疽などの重症虚血肢となり,生活が困難となるばかりか生命も脅かされるなど,著しいQOLの低下がある. ガイドラインに基づく治療戦略は確率しつつあるものの,再建血管の開存率向上にはまだまだ課題は多い.この課題に対し,我々は振動器を下肢・下腿にあてがい,振動を与えることで,末梢循環の促進効果をさまざまな対象で検討してきた.その結果振動器を用いた介入(振動ケア)を追加して行うことにより,血行再建術後の血管開存状態をより維持できる可能性が期待できる.振動ケアがもたらす末梢循環促進効果を縦断的に評価することで,有効性を検証するものである.縦断的な観察期間は術後6か月~1年を設定している.従って対象者は下肢末梢循環障害(PAD)の中でも,間歇性跛行により,血行再建術を受ける(受けた)患者で行うものであるが,より,振動ケアの効果を確認するためには,膝窩以下の狭窄・閉塞を有する患者をリクルートすることが必要である.末梢循環の評価には,国際的なガイドラインでも用いられている経皮酸素分圧を用いることとし,2ポイントで評価を行うこととした. 臨床での測定は簡便かつ正確な測定用具が必要であり,その条件にかなう測定用具の選定と,測定者の技術習熟を行った.今後も計画通り,対象者の選定を行い,縦断的なデータ収集を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度より研究対象者のリクルートおよび,測定プロトコールの策定を行った. 縦断調査のセッティング(タイミング)が難しいこともあり,同意が得られる対象者の選定と確保に時間を要しているが,症例の蓄積を引き続き行う。
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今後の研究の推進方策 |
同意取得に向け,同意を得られるような調査環境のセッティングに努力する。データ収集のための研究協力者を得て,対象者の意に添うプロトコールを策定する。 副次アウトカムである,QOL向上についても調査項目に加え,振動ケアの有効性を比較できるよう検討する. 研究分担者とのミーティング・情報交換を密に行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)主な理由として,研究補助者を確保しえなかったため,人件費が未使用であったこと,機器類の故障もなくメンテナンスが不要であったこと,また研究進行状況に応じた機器購入の支出がなかったことが考えられる. (使用計画)主には旅費であり,次年度のデータ蓄積により成果の一部をまとめ学会等で報告する.対象者への調査時期の重複により振動器の不足が予想されるため,振動器および測定機器・分析機器のメンテナンス費用を確保する.
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