現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、薬物療法を受けていない2型糖尿病者30名を対象として1日の食事摂取量について以下の項目を検討した。1.食事療法前の1日の食事摂取量を、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)により明らかにした。BDHQは、過去1ヶ月間の食事摂取量を評価する質問票で、専用の栄養価計算プログラムによって、栄養素のバランス、1日に摂取された30種類の栄養素、50種類の食品の量を算出し実態を明らかとした。2.食事療法前に調査したBDHQより、1日の食品摂取量に含まれる糖分の摂取量、糖分を含む食品、調理方法(生・焼く・煮る・炒める)、摂取タイミング(食事としての副食・間食)を抽出した。3.食事療法前に調査したBDHQより、1日の食品摂取量に含まれる旨味成分の摂取量を算出するために旨味成分としてのグルタミン酸が、比較的多く含まれている食品(海藻、野菜、魚)と食品の調理方法(生・焼く・煮る・炒める)を抽出した。4. 5つの基本味覚(甘味,塩味,酸味,苦味,旨味)を味覚ごとの閾値平均で群分けし、1日の食事摂取量との関連について解析検討を実施した。平成29年度は、平成28年度に実施しBDHQ法を用いた食事療法前後の食品摂取量・調理法を基に旨味成分を含む食品摂取量を明らかとした。食事療法前後で変化が確認される食品摂取量を突きとめた。さらに、食事指導前後での糖尿病改善効果を比較するために、血糖値の上昇に伴ってその値が上昇する HbA1c、血糖値を下げるインスリン、食後に血中濃度が上昇するレプチン、インスリン分 泌を促す GLP-1、インスリン感受性を強める作用を持つアディポネクチン、それらの濃度についてそれぞれ測定した。また、体重、体脂肪、BMI、TG、HDL-C、LDL-C に ついても食事療法前後での変化を検討した。
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