研究課題
糖尿病患者では甘味嗜好が強く食事療法を困難にしている。甘味嗜好の改善に旨味成分の摂取あるいは旨味刺激が有効である考えを支持する研究結果はいまだ存在していない。嗜好のコントロールに着目した食事指導法は確立していない。平成30年度はBDHQ法を用いた食事療法前後の食品摂取量・調理法を基に旨味成分を含む食品摂取量の解析結果をもとにSPSS (Ver. 21)を用いて統計解析を行った。有意水準は P<0.05 もしくは P<0.001 とした。 評価タイミング前後の比較には Wilcoxon 検定または対応のある t 検定を、群間の比較には Mann-Whitney 検定または対応のない t 検定を用いた。結果の数値は平均±SD で表した。群間比較、前後比較することにより統計学的な変化があるか検証をおこなった。うま味成分を多く含む食事を摂取している2型糖尿病患者では、味覚感受性が亢進し甘味嗜好が弱まる事が示唆された。また、これら患者では、血糖コントロールに一定の改善が確認された。しかし、半数以上の患者では、味覚感受性と血糖コントロールの改善が認められなかった。この結果は、うま味成分の自由摂取のため効果が弱かったと推察される。今後、更に、旨味成分の摂取あるいは旨味刺激が2型糖尿病患者の甘味嗜好を弱め糖尿病改善に有効であるか詳細に検討を行い独創的な研究となる事が期待される。
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Yonago acta medica
巻: 62 ページ: 14-23