心不全患者と家族に対する包括的緩和ケアモデルの開発

2016 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 16K12033
• 研究機関: 埼玉県立大学
• 研究代表者: 常盤 文枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00291740)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 心不全患者 / 包括的緩和ケア / 家族

研究実績の概要

心不全は、急性増悪をくりかえしながら、徐々に機能低下し、最後は比較的急な経過をたどる。そのため、がんと比較し、病いの軌跡のステージを見極めることが困難な場合が多く、患者や家族の希望を叶えることができない状況に陥りやすい。症状の進行する心不全患者に対して、心不全治療とともに、症状マネジメントや心理社会的なニーズに対応する包括的な緩和ケアが必要である。しかし、心不全のような非がん疾患の緩和ケアに関するエビデンスや具体的な方略についてはまだ検討されていない。そこで、本研究では、心不全の緩和ケアに関するニーズと課題を明らかにし、心不全患者と家族に対する包括的緩和ケアモデルを開発することを目的とする。

本研究では、以下の点について、研究期間中に明らかにする。
①心不全患者と家族の心不全の緩和ケアに関する意識を明らかにする。②心不全ケアにかかわる医療者の緩和ケアに関する意識を明らかにする。③国内外の心不全の緩和ケアに関する医療、看護の実践事例を調査し分析する。

以上の結果を検討し、地域で生活する心不全患者および家族に対する包括的緩和ケアモデルを開発する。平成２８年度は、①②の調査を実施するため、心不全治療および看護に関与する医療従事者へのヒアリングを実施した。現在ヒアリングおよび先行研究を合わせて調査票を作成中である。また、モデル作成の知見を得るための視察に関しては、国内外ともにスケジュール調査が困難で実施できなかった。平成２９年度中に完了を目指したい。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度はモデル開発のための海外視察を計画していたが、スケジュール調整が困難だったため実施できなった。今年度は国内視察と平行に実施できるようスケジュールを調整する予定である。

今後の研究の推進方策

視察に関してはスケジュールを調整し平成２９年度以内には完了する。また調査についてもデータ収集は今年度中に完了させ、内容的に補足すべきデータがないかを確認する。

次年度使用額が生じた理由

海外視察経費（旅費等）が実施しなかったため繰り越しとなった。

次年度使用額の使用計画

平成２９年１２月、または３０年２月～３月にかけて海外視察実施予定で、スケジュールを調整している。