心不全は、急性増悪をくりかえしながら、徐々に機能低下し、最後は比較的急な経過をたどり、患者や家族の希望を叶えることができない状況に陥りやすい。本研究では、諸外国における心不全患者に対する緩和ケアと日本の現状を比較検討し、現状の課題と今後の具体的な方略について明らかにすることを試みた。結果、諸外国においても、非がん患者の緩和ケアについては手探りの課題が山積しているが、ACPの概念が進みつつあること、比較して日本でも近年ACPの概念が取り入れられてきたが、これまでの患者や家族の意思決定のスタイルや医療者との関係性に特性があり、それを踏まえた緩和ケアの方法を行う必要があることが示唆された。
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