研究課題/領域番号 |
16K12035
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
有田 広美 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (30336599)
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研究分担者 |
藤本 悦子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (00107947)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
高山 裕喜枝 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 看護師 (80771659)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 鎮痛・鎮静管理 / 術後患者 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
本研究は、術後にICUに入室してJ-PADガイドラインに沿って昼は覚醒、夜は鎮静という鎮痛・鎮静管理を受けた患者は、集中治療室入室中だけでなく一般病棟に帰室後も睡眠覚醒リズムが保たれるのかを明らかにすることを目的にした。心臓手術、消化器系がんで術後温熱療法、咽頭および下顎がんで皮弁再建術を実施した21名に、マット型睡眠計(スリープスキャン)を用いた睡眠測定、睡眠感(0-100のVisual Analog Scale)を術前、ICU入室中、病棟に帰室後の1週間を調査した。ICU入室中においては、鎮痛・鎮静管理の実際は、挿管中はプロポフォール、デクスメデトミジン、フェンタニールが使用され、抜管後はプロポフォール中止し、日中は浅い鎮静管理とし昼夜の覚醒のメリハリをつけることを目標としていた。分析方法は、21-7時までの睡眠時間、中途覚醒時間、睡眠効率、VASによる睡眠感を術前、ICU入室中、帰室後1-2夜、3-4夜、5-6夜のデータを平均し、フリードマン検定および多重比較を行った。結果は、ICU入室中よりも一般病棟に帰室後3-4夜、5-6夜の中途覚醒時間が有意に増加し、睡眠時間、睡眠効率が有意に低下していたことから、ICUで鎮痛・鎮静管理から昼夜の覚醒リズムがつけられたとしても病棟移動後の睡眠覚醒リズムを維持できるとは限らないことが示唆された。侵襲の高い皮弁再建術の患者は鎮痛鎮静管理が十分行われたため睡眠時間や中途覚醒時間は3群の中で最も良かったが、睡眠感VASは最も低かった事から睡眠満足度は得られていないことに注目する必要がある。
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