研究課題/領域番号 |
16K12047
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研究機関 | 聖泉大学 |
研究代表者 |
緒方 昭子 聖泉大学, 看護学部, 教授 (50510731)
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研究分担者 |
外村 昌子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (20711980)
蓮池 光人 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (30760657)
奥 祥子 姫路大学, 看護学部, 教授 (40284921)
久木元 由紀子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (70725142)
井手口 範男 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (90396929)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 腹腔鏡手術 / 消化器がん患者 / ソフトマッサージ / 不安 / 不快 / リラックス / 疼痛 |
研究実績の概要 |
近年増加しているがん患者に対する腹腔鏡手術後の看護として、術後に行う背部マッサージの効果を検証するため、消化器がん患者を対象とし、術後2日目に背部のソフトタッチのマッサージを実施し生理的測定、VASや感想などの心理的測定を実施した。 2016年腹腔鏡下消化器がん患者13名(平均年齢62歳±11、胃がん4名,大腸がん5名,直腸がん4名)にRCTのパイロットスタデイを実施した。介入群・比較群ともに血圧等の生理的測定データに優位差は見られず、介入群の心理的データであるKOCOROスケールの「不安・安心」(p=0.039)に優位差が見られ、語りから「手の力」や「暖かくなる」などマッサージの身体・心理・スピリチュアル面の効果が抽出された。 2018にHRVを導入し、消化器がん患者18名(胃がん2名、下行結腸癌1名、S状結腸癌4名、直腸がん2名、平均年齢68.2歳)、比較群9名のデータ収集後に9名の介入を行った。生理的データのHRVに優位差は見られず、介入群の心理的データ「今不快な気分」のVAS値(p=0.04)に優位差が見られ、「あたたかい」「気持ちいい」などの感想が得られた。 2019年介入群のみの実施とし、マッサージの実施日を術後2日目と3日目の実施に変更した。協力者は7名(胃がん2名、結腸がん4名、平均年齢74.6歳)であった。術後2日目、3日目ともにHRVに優位差は見られなかった。術後2日目に「最高に満足である」のVAS値に優位差(p=0.017)が見られた。 3年間のの実施においてリラックス状態である副交感神経の優位な状態も認められなかったが、すべてにおいて生理学的な変化が認められなかったことから、術後の身体においてもほとんど影響がなく、対象者にとって「安心」などの心理的な効果は期待できるものと考えられる。ソフトマッサージは術後患者の心理的ケアとして活用することが期待できる。
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