研究課題/領域番号 |
16K12053
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
椙田 広明 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 助教 (00758740)
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研究分担者 |
安酸 史子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (10254559)
餘目 千史 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (80588856)
伴 佳子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 准教授 (80726498)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 身体組成分析 / ドライウェイト / セルフマネジメント |
研究実績の概要 |
血液透析導入に至った末期慢性腎不全患者は、合併症の発症や増悪のリスクが課題となる。それらを防ぐためには個々の患者が行う水分、食事管理をいかに適切に行っていくかが重要となる。本研究は、血液透析導入にあたり入院中に適切な体重(ドライウェイト)設定が行われていく過程で、身体組成分析装置等のデータを患者に開示し患者と共同目標を設定していくことが今後の透析生活に有効であることを検証するための研究である。 研究初段階は当該施設で血液透析を導入する患者の体重推移や透析設定などが、どのような経過を辿って退院に至るのか現状調査を行った。調査期間中の対象者は16名で、入院時から体水分バランス異常が多いこと、また、栄養障害を来していることが多いと分かった。また、質問紙調査では身体症状や不安を持つことなどが認められ、患者には入院時より、水分・体重管理、栄養や腎不全症状について説明し、自己管理能力が高められるように支援を行うことが必要であると考えられた。 30年度はドライウェイトが設定されていく過程で、医療者と共同目標を持って透析を行うことの有効性を検証するための介入研究を開始した。対象は「データを開示・説明する」群と「研究者はデータの開示・説明を行わず現状のまま」の2群に分け、介入群は病室に訪問し、身体組成分析結果、体重変化率、水分・食事摂取量、ドライウェイト設定、透析設定などを説明し、患者の目標などを話し合った。非介入の群は患者のデータのみを収集した。また、退院後3か月後と6か月後に退院施設からの透析情報を得ると同時に、透析生活状況を知る目的で「血液透析患者の水分管理の自己効力尺度」を質問紙として患者宅へ送付し、情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の前段階として当該透析施設における血液透析導入患者のドライウェイトが決定される過程の現状調査を行ったが、研究開始時期が遅れたことと当該施設での症例数が想定したより少なく、対象患者を得るのに時間を要した。30年度は「データを開示・説明する」群と「研究者はデータの開示・説明を行わず現状のまま」の2群での介入研究を開始したが、研究の前年度からの遅れと、研究対象となる患者の入院が少ないため、現在も調査継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は対象患者に対し、「データを開示・説明する」群と「研究者はデータの開示・説明を行わず現状のまま」の2群に分けた調査を開始したが、当該施設へ入院する患者で対象となる患者が少ないため、調査を継続して行く必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の前段階で行った当該透析施設における血液透析導入患者のドライウェイトが決定される過程の現状調査が遅れたためと、30年度から開始した医療者と共同目標を持って透析を行うことの有効性を検証するための介入調査の対象患者が少なかったため研究期間が延長した。次年度は対象患者への調査を年度前半までに延長し、退院後3か月、6か月の調査を年度内に終了することにする。その後、データをまとめ、体重管理について医療者と患者が共同目標を持って透析を行うことの有効性を検討していく。
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