研究課題/領域番号 |
16K12056
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
二渡 玉江 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (00143206)
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研究分担者 |
菊地 沙織 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (10758254)
中西 陽子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (50258886)
塚越 徳子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60723757)
広瀬 規代美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (80258889)
堀越 政孝 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (80451722)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 乳がん / 乳房再建術 / サバイバー / 援助プログラム |
研究実績の概要 |
目的は、乳房再建術を受ける乳がんサバイバーが主体的に生きることを支えるために必要な援助プログラムを開発することである。28年度は、関連文献検討とプログラムに必要な要素を抽出するために、がん診断時から乳房再建終了時までに体験した困難と対処について質的帰納的に明らかにした。 乳房再建術を受ける患者の看護に関する研究内容の検討では、【乳がん患者の病状過程における思い】【乳がん患者のボディイメージの変容に関する心理プロセス】【乳がん患者のストレスに対する対処行動】【乳がん患者の術式選択と術後の影響】【看護師による乳がん術後患者への看護実践】【周囲の言動・情報が乳がん患者に与える影響】の6カテゴリが抽出された。看護師は患者の心情を理解した上で、患者が乳房再建術によるボディイメージの変容などを受容できるような看護支援方法の確立が必要で患者の現状を捉える研究に加え、支援に結びつける研究の必要性が示唆された。 一次二期乳房再建術を受けた乳がん患者が体験する困難と対処のプロセスでは、自家組織を用いた再建者4名を分析した。乳がんと診断をされ、【確実な生を求めて葛藤し再建術を希望する】ことによって、乳房全摘術(TE挿入)に臨み、次に【自分に合った再建方法を模索する】。そして自家組織による再建術を受けると、【術後の苦痛に対処し、今後を見据える】プロセスを辿っていた。再建方法選択における困難の特徴は、再建後に『精神的なダメージ』を抱え、結果に後悔する人は、術後の自分の体調やボディイメージの変化が予測とは異なり、想像以上に苦痛を感じていることが明らかとなった。以上から、一次二期乳房再建術を受けた乳がん患者が困難に対処し、再建術に意味を見出すためには、患者の心理的安寧を促進し、治療方法選択の際は、術後の心身の変化の理解が得られるように情報提供を行うことと再建の意味を見出す支援の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目的は、関連文献検討とプログラムに必要な要素を抽出するための質的帰納的研究を行うことであった。現在、文献検討は終了し、質的帰納的研究は予定の18名のインタビューを終了し、14名の逐語録を作成した。
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今後の研究の推進方策 |
29年度は、乳房再建術を受ける乳がん患者に必要な支援の要素を抽出し、プログラム原案を作成するとともにプログラムに必要な教材準備を行う予定である。同時に、28年度データを論文化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額は分担研究者への分担金である。1名は、物品費として質的帰納的研究を行うための費用として分担したが、緊急の高い物品購入がなかったため、分担額20,000円を使用しなかった。1名は、納品、事務処理が3月末に間に合わず127円の残額を計上した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度も分担者に分担金として配分する。29年度はプログラムの要素抽出から、教材作成を予定しており、それに必要な物品購入に充当する。
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