研究課題/領域番号 |
16K12065
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
南川 貴子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (20314883)
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研究分担者 |
田村 綾子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10227275)
日坂 ゆかり 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (30730593) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 看護 / 脳卒中 / シームレス |
研究実績の概要 |
本研究は、脳卒中患者の発症直後から在宅生活へのシームレスな移行を目指し、看護師が実施できる、患者の活動量の増加と参加拡大のための支援方法の開発を行なう研究である。脳卒中は介護や療養を要する患者が多く、特に要介護(ほぼ寝たきり)患者の原因疾患の第1位が認知症(原因が脳卒中のものも含む)、第2位が脳血管疾患(脳卒中)である。また、病院の在院日数も精神疾患に続き第2位と、急性期を脱した後も在宅療養への以降がスムーズにすすんでいないのが現状である。 脳卒中患者が自宅に帰れない理由の1つとして、脳卒中による麻痺に加えて、急性期から活動低下による廃用症候群が出現することで、回復期病棟や療養病棟に転院後も活動低下などが改善できないことがある。そのため、自宅での療養への移行がスムーズにすすんでいないと考えた。そこで本研究の目的を、脳卒中発症直後の急性期病院から、在宅生活を目指しての看護師が実施可能な筋力低下予防と日常生活活動低下の活動支援法の開発とした。 平成30年度の成果として3点ある。 1点は、軽度脳卒中患者の急性期病院入院後のADL改善の実態調査を行った。 脳卒中患者の筋肉低下に注目し、データ収集を行なった結果を、再検討し、論文作成を行なった。その成果が、Japanese Acaademy of Neuroscience Nursingに英文で掲載された。 2点目は、脳卒中の中でも非常に強い頭痛で苦痛を抱え、日常生活活動にも多大な影響を及ぼすことが多いくも膜下出血の痛みに注目し、痛みの現状と患者の思いについて調査・検討を行った。 3点目は、これまでの研究の成果を踏まえて、徳島県シームレスケア研究会において、徳島県内の地域連携パスの看護の部分について、徳島県内の脳卒中患者を看護する病院の看護師とともに議論を重ねた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年は、脳卒中の中でも活動量の低下につながるくも膜下出血後の患者の強い痛み(頭痛・項部痛)に注目し、痛みのコントロールが的確に行えるようになると活動量が増加するのではないかと考え、研究を進めた。そのため当初の計画よりはやや遅れていると判断した。 くも膜下出血の痛みについて患者で調査したところ、破裂動脈瘤の根治治療後のスパスム期の平均5日間は、今までいわれていた項部よりも頭部の痛みが持続が持続し、開頭術を受けた患者よりも血管内治療を受けた患者のほうが強い痛みを受けていることが明らかになった。また、頭痛に対しての思いについては、恐怖と感じるくらいの強い頭痛と整理のつかない複雑な感覚を抱いていることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究によって、超急性期からの看護師による早期離床・生活支援の必要性はさらに明らかになってきた。また、活動低下の大きな原因になっていたくも膜下出血の原因になっていた頭痛についても頭痛の状況や、患者の思いの一部が明らかになった。前年度は、担当研究者の転勤による離脱が生じたため、研究者の負担の増加が考えられたが、新メンバーが着任したので、研究体制を立て直しを行ない、今年度、特に急性期での活動状況と外来で治療を続ける患者のQOLに注目し、データ収集、分析を行なう予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に共同研究のメンバーの転勤、チームからの離脱があり、当初の予定を変更しなければならなかった。 また前年度は、脳卒中患者の急性期の活動量の低下の大きな原因となる、くも膜下出血後のたいへん強い痛み(頭痛・項部痛)に注目し、研究を深めたために次年度使用金額が生じてしまった。今年度は、急性期からの活動量に重視して倫理審査委員会にも研究計画を提出し、承認を得ており、今後データ収集、分析を進めて学会で公表する予定にしている。
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