研究課題/領域番号 |
16K12069
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
牧野 智恵 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (60161999)
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研究分担者 |
長谷川 昇 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (10156317)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 抗がん薬曝露予防 / 外来化学療法 / 汚染 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、外来化学療法を受ける乳がん患者に曝露対策を実施してもらうことによって、トイレ環境へのシクロホスファミド(以下「CPA」とする)による汚染状況がどう変化するのかを明らかにすることである。昨年度は対照群5名、対策①群5名(排尿後、10枚のトイレットペーパーを使用)、対策②群5名(便座の蓋を閉めて2回水洗実施)を対象に治療後の排尿前後に手指、便器周辺、唾液のCPA値を調査した。その結果、外来化学療法室での点滴治療直後には、すでに、乳がん患者の唾液からCPAが体外に排泄されていた。また、対照群では排尿後の手指のCPA値が増えたが(p<0.05)、対策①実施によってCPA値の有意な増加は見られなかった。また、対策②によって便座裏面に付着したCPA値は対照群より200ng多かった。。これらのことから、排尿後、トイレットペーパー10巻で陰部を拭くことによって、手指のCPA汚染を防止できることが示唆された。また、2015年に発刊された曝露対策合同ガイドラインに記載されている“便座の蓋を閉めて2回水洗した後、すぐにトイレットペーパー等で便器周辺を清掃する”という新たな対策の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究者と共に、計画通りに実施している。しかし、研究協力者が少ないことが問題となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今回は、対照群5名、介入群5名×2群で実施したが、まだ対象者が少ないと思われる。今後は、対象者を増やし、化学療法終了後48時間の患者の唾液中のCPA残量の測定を行い、外来化学療法中の患者への自宅帰宅後の看護指導の資料としたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
同研究を学内助成金からも使用し実施したため、今年度の使用額を抑えることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、さらに対象者を北陸3県に増やし、実施する予定であるため、それに使用する予定である。
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