研究課題/領域番号 |
16K12071
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
名越 恵美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (20341141)
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研究分担者 |
難波 峰子 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (20461238)
掛橋 千賀子 姫路大学, 看護学部, 教授 (60185725)
松本 啓子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (70249556)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 外来化学療法 / 在宅高齢患者世帯 / 治療継続 / アセスメントシート |
研究実績の概要 |
2019年度は、昨年度延期された調査3を実施した。旧社会主義国家(ハンガリー)のがん看護に関する治療期から終末期の支援システムの現状を調査した。National Institute of Oncologyを見学。看護部長・副看護部長・現任教育担当看護師へインタビューした。 1990年から国立となったため、国の政策の影響を受ける。基本的に治療費は無料。医師以外の多職種は一緒に研修を受ける。国立がん専門病院であるため、治療を専門に行っており、緩和ケア病棟はない。精神的な介入は、サイコオンコロジーの医師が介入する。ベッド数は350床。乳がん患者、大腸がん、肺がん患者が多くを占めている。また、外来がん化学療法室の医師と看護師長と会談。副作用や身体面の状況については、国からのチェックリストがあり、それ以外のアセスメントは記述式であった。患者との何でも話せる関係が必要。看護師不足はは問題であり、EUに加盟しているので、ドイツへ看護師・医師の流出がある。また、看護師は、就業年限が40年間になると実年齢にかかわらず看護師免許を国へ返納するシステムとなっている。訪問看護との連携はなく、ハンガリーでは、女性は通常外で働いており、日中患者の面倒を看る家族がいないため、病院で最期を迎えることが多い。ホスピスは、施設数が少ない。平均年齢は72歳であり、日本の様に認知症の問題は多くはない。 また、調査4として、調査1,2から病気と治療により生活の侵害をされている外来化学療法を受けている患者に対して、自記式質問紙によるアンケート調査を実施した。回収数164部。現在データ入力および分析を進めている。データ入力終了の63部の結果として、自覚症状は、倦怠感55.6%、手足のしびれ42%であった。3因子構造のオリジナルIIRS尺度と異なり、日本では、2因子構造の適合度が概ね良好であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象施設の倫理委員会の承認に時間がかかった。さらに、アンケートの配布、返却に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
現在もアンケートが返却中である。今後は、アセスメントシートの適合度と共に、調査4の患者の病気と治療による生活への影響とメンタル面への影響を明らかにした上で、調査5のアセスメントシートの試案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査を実施するにあたり、対象施設の倫理委員会承認を待っていたために、研究参加者へのアンケート配布、回収が遅れた。今年度は、回収されたアンケートのデータ入力及び分析、まとめを実施するため計上していた予算を実行する。、
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