研究課題/領域番号 |
16K12072
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
玉井 なおみ 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (80326511)
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研究分担者 |
神里 みどり 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 教授 (80345909)
木村 安貴 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (90812917)
西田 涼子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (40557295)
野崎 希元 名桜大学, 健康科学部, 助教 (60733441) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乳がん / 運動 / 生命予後 / オーダーメイド |
研究実績の概要 |
1.平成29年度はがん患者の運動支援に関わる医療従事者および乳がん患者を対象に「がんと運動」に関するリテラシー調査を実施した。 1)がん患者の運動支援に関わる医療従事者(看護師、リハビリテーション部門、医師)を対象に、がんと運動の予防効果の知識の有無、運動支援の有無などについて質問紙調査を実施した。調査は平成30年3月まで行ない、看護師、リハビリテーション部門(理学療法士、作業療法士)、医師から約700名の回答を得た。 2)乳がん患者を対象に、がんと運動の予防効果の知識の有無、希望する運動支援の方法(個別・集団・電話など)、運動支援に求めることなどについて質問紙調査を実施した。調査は平成30年3月まで行ない約290名から回答を得た。 2.これまでの研究の知見を論文としてまとめ、学術誌で発表した。 1)「がんと運動」のシンポジウム参加した医療従事者および一般市民に実施したがん患者の運動支援に関する調査結果を論文としてまとめ、学術誌で発表した。結果として、がんの再発や治療の副作用に対する運動の予防効果の認識で高いものは倦怠感緩和29人(42.0%)、睡眠の改善28人(40.6%)、再発予防27人(39.1%)であった。全員が運動支援を希望した。希望する支援方法は複数支援で、在宅や施設で行えるものであった。がん体験の有無別では希望する支援に有意な差はなかった。記述内容では【運動の予防効果の認識は一般的に低いためもっと啓蒙して欲しい】など5つのカテゴリーが抽出された。今後は知識の普及と複数の支援方法を取り入れた在宅や施設で実施できる運動支援の構築が必要であった。 2)がんと運動に関する文献を検討し、共同研究者として分析を行い、その成果は学術誌で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、医療者ならびに乳がん患者のリテラシー調査データの入力を終えて分析に入っている段階である。分析結果は、今後の教育媒体や運動支援プログラム作成に繋げていく。教育媒体や成功体験事例集に関するリーフレットやDVDの作成については資料を集め検討している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
乳がん患者のオーダーメイドのウォーキングプログラムの開発 1)リテラシー調査の分析結果から、乳がん患者および医療者のニーズに沿った実施可能乳がん患者の支援方法を検討する。 2)教育媒体と成功事例集を作成するとともに、申請者が作成した運動行動モデル(玉井,2011)を基盤とした乳がん患者のオーダーメイドの運動支援の実施と評価を行なう(乳がん患者10名程度)。 2) 運動支援の結果をもとに乳がん患者に関わる医療従事者(看護師、理学療法士・作業療法士、医師)による運動支援を検討し、チームで行える支援方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた2名の海外の運動ワークショップに参加できなかったことや、質問紙調査で郵送法を採用したことで予定より費用を要したことから、予算執行が計画的にできなかった。海外の運動ワークショップについては時期が合わず参加が難しいことや、既に運動ワークショップを受講した者から情報を得る機会を得たことから、平成30年度予定している国際学会で研究成果を発表する際に、最新の情報を収集することとする。
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