研究課題/領域番号 |
16K12074
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
本田 芳香 自治医科大学, 看護学部, 教授 (80307123)
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研究分担者 |
飯塚 由美子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (20714976)
棚橋 さつき 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (30406300)
湯山 美杉 自治医科大学, 看護学部, 助教 (30647095)
浜端 賢次 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (80287052)
福田 順子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (90758947)
藤井 博文 自治医科大学, 医学部, 教授 (80438613)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地域文化 / 在宅看取りケア / 終末期がん患者 / 多職種 / 複雑さ / コーディネート機能 |
研究実績の概要 |
【平成28年度の目的】終末期がん患者の在宅看取りケアに関わる多職種の複雑さの状況と地域文化の特性との関連を明らかにすることである。そのことにより在宅看取りケアに関するコーディネート機能に影響を与える因子を抽出し仮設生成を行うことにある。 【実績結果】終末期がん患者の在宅看取りケアに関わった5年以上経験のある医療・福祉専門職(医師、看護師、保健師、社会福祉士、薬剤師)25名に対しては半構成的インタビューを実施した。インタビュー内容は、複雑で困難な在宅看取りケアに関する多職種実践の役割機能とその課題についてである。自治医科大学臨床研究等倫理審査委員会の承認を経ており、個人情報保護、データ取扱い等に関する倫理的配慮は行っている。実績結果として、その結果コーディネート機能に影響を与える因子として、『看取りケアに関連するアクセスビリティ』『看取りケアに関連する多職種協働による協調性』『看取りケアに関連する包括的課題』『看取りケアに関連するケア継続性』『看取りケアに関連する地域特性』が抽出された。これらの結果より、終末期がん患者の看取りケアに関するコーディネート機能は、組織の境界域としてファジーな状態の概念として時空間の現出として説明された。つまり時間の概念として、終末期がん患者の看取りケアに関するアクセスビリティ、ケアの継続性、包括的課題等を時系列に変化する情報の共有として現出した。空間の概念として、多職種協働の協調性、地域特性など各組織の場を超えた空間として現出した。これら時空間の組み合わせは、地域文化の特性により複雑な様相を示していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の目的である終末期がん患者の看取りケアに関わる多職種の複雑さと地域文化の特性との関連を明らかにすることである。それにより看取りケアに関するコーディネート機能に影響を与える因子を抽出し仮説生成を行うことである。研究対象として在宅医療・在宅緩和ケアが推進されている研究分担者、研究協力者の研究フィールドの6地域で研究同意の得られた対象25名にインタビューを実施した。分析は質的記述的分析法を用いた。多職種の看取りケアに関する複雑な状況の本質さと地域文化の特性から、5つの大カテゴリーが抽出できた。
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今後の研究の推進方策 |
(平成29年度)は、終末期がん患者の看取りケアに関するコーディネート機能に影響を与える因子が地域文化の特性に応じ、どの程度影響を与えているのかアンケート調査により仮説立証を行い、多職種コーディネート機能モデルを作成することである。仮説生成を立証するため量的研究手法としてアンケート調査を実施する。 研究対象として、全国訪問看護ステーション、在宅療養支援診療所、地域包括支援センターより3000箇所を無作為抽出する。 平成28年度の結果より、地域文化に適した多職種協働の成り立ちと影響要因に配慮した終末期がん患者の看取りケアに関する多職種コーディネート機能モデルを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
科研分担者の分担金として消耗品計上経費が残額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画どおり確実に実施していくよう各分担者にも周知する。
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