研究課題/領域番号 |
16K12080
|
研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
森 一恵 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (10210113)
|
研究分担者 |
杉本 知子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00314922)
千田 睦美 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (90305269)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 終末期看護 / 意思決定支援 / 高齢がん患者 / 療養生活 / 死生観 / Advance Care Planning |
研究実績の概要 |
初めてがんと診断された高齢がん患者(以下、患者)の意思決定を支援するために作成したコミュニケーションノートを用いて、がんと初めて診断された高齢患者とその家族に意思決定の認識と感情の変化を評価した。がん治療後の患者の生活に関する看護師の研究者と参加者との間の議論、これらに関する感情について、半構造化質問紙を用いて初回がん治療終了直後、郵送法を用いて3ヶ月後に回答を得た。POMS、PGCモラールスケール改訂版などの尺度をにより測定した結果、患者とその家族の間で介入後と3か月後POMSに変化は見られなかったしかし、下位項目(緊張不安:5.2、活力:5.8)で差が大きくなる傾向があった。また、「家族と率直に話し合うことはできない」や「これ以上の悪化はないと信じる」など、患者の意思決定について6カテゴリーが抽出された。以上のことから、初回治療の直後にACPについて考える契機を得られた。このような患者と家族の期待は、実際に今後の予後の生活をどのように受け入れることと、「終活」に対する一般的な考えとを区別して認識することが難しいことがわかった。 以上は、The 6th WANS(於:大阪国際会議場)で"Understandings of decision making for elderly patients with cancer and their family members during the transitional period from hospital to home care"としてポスター発表を行った。また、関西国際大学研究紀要第21号(2020)、81-96頁「療養移行期にある高齢がん患者とその家族の意思決定-コミュニケーションノートを用いた認識の変化-」に発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者の一般的な「終末期の療養生活」についての認識について十分な情報が得られなかった。これらのことから、対象者数を増やすための試みと、「終活」に対する一般的な高齢者の考えと「終末期の療養生活」についての認識の違いについて情報収集する必要があり、引き続きデータ収集を行う計画である。しかし、最終年度にプログラムの修正を検討する予定で、研究参加施設のリクルートを行ったが、研究参加が得られた施設を検索中に新型コロナの流行があり、現在、病院及び高齢者へのリクルート活動は停止している状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度にプログラムの修正を検討する予定で、研究参加施設のリクルートを行ったが、研究参加が得られた施設を検索中に新型コロナの流行があり、現在、病院及び高齢者へのリクルート活動は停止している状況である。今後、この状況は長期化することが予測されるため、対象者への調査方法を含めて対面での情報収集をできる限り少なくする方法で、「終末期の療養」についての意思決定と「終活」との違いを明らかにできるよう調査を進めたいと考える。
|
次年度使用額が生じた理由 |
最終年度にプログラムの修正を検討する予定で、研究参加施設のリクルートを行ったが、研究参加が得られた施設を検索中に新型コロナの流行があり、現在、病院及び高齢者へのリクルート活動は停止している状況である。今後、この状況は長期化することが予測されるため、対象者への調査方法を含めて対面での情報収集をできる限り少なくする方法で、「終末期の療養」についての意思決定と「終活」との違いを明らかにできるよう調査を進めたいと考える。 以上のことから、研究データの収集方法は郵送法やインターネット上でのデータ収集を考えており、質問紙の開発のために改めて「終末期の療養」について高齢者にインタビューを行い質問紙を精選する。精選した質問紙を用いて郵送法や信頼できるインターネットでのアンケートサイトで情報収集を行う予定である。分析も含めて、データ量が多くなることが予想されるため、データ収集と分析に予算が必要である。
|