研究課題/領域番号 |
16K12082
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
堀井 直子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (90410662)
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研究分担者 |
前川 厚子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (20314023)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 肺がん患者 / 生活調整 / 在宅ケア / 介入プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は研究者らが開発した「肺がん患者生活調整支援モデル」について,在宅療養者への適応に向けて検討を進め介入プログラムを開発することである. 平成28年度および平成29年度は,このモデル構築時に取り上げていない要因の変数を充実させることを目的に取り組んだ.平成28年度は壮年期のケース,平成29年度は肺がん療養者には高齢者が多く認知症を少なからず併発しているケースを散見するため,より療養者の暮らしに密着した介入を目指し,認知症のあるがん患者の介護者15名に対し半構造化面接を行い生活調整の実態を把握した.結果,認知症による【介護のしづらさ】【在宅介護継続への不安】【経済面への心配】に加え,【本来の自分らしい生活ができないストレス】や【変貌する親を受け止める難しさ】が療養者の生活調整の障害になっていることが推測された.これらの結果と,平成27年度の研究成果である,「どの時期においても当事者たちが『主観的普通の生活』を創り出す調整ができる」ように,状態悪化や認知症の併発・進行を想定し,【療養者を混乱させない対応】【社会資源の選択】【自分の介護スタイルの獲得】【介護者としての自分を確立する】【認知症の親を捉えなおす】等の内容について介入プログラムに入れる試案を作成し,現在,がん看護専門看護師,訪問看護認定看護師,認知症看護認定看護師の専門的助言を得ながらプログラムのブラッシュアップ中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
肺がん療養者からのデータ収集に際し,施設側との調整や,対象者の選択に予想以上の時間を要した.今回は認知症のあるがん療養者の介護者15名を対象にデータ収集を行ったが,一昨年の対象者のリクルートの困難が影響し,全体として研究遂行に遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度・平成29年度の計画は,「肺がん患者生活調整支援モデル」の在宅への適応に向けて,モデル構築時に検討できていない要因を確認し,変数を充実させることであった.しかし,対象者のリクルートに時間を要したこともあり,変数の充実にはまだ課題が残った.平成31年度は,引き続き対象者をリクルートしながら変数の充実をはかること,得られた結果から,在宅に特化した生活調整支援モデルを検討することである.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)研究の進捗状況が遅いため、研究協力機関への交通費の支出が予定より少なかった。
(使用計画)平成30年度は、研究参加者のリクルートを工夫し、面接の逐語録代金として活用する。
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